更新日: 2016.09.22 00:48
【マクラーレン分析前編】驚異の進化度。ホンダは2017年のダークホースになりうる
ピーター・プロドロモウのチーフエンジニアとして復帰はチームに大きな影響を与えた。今までとは異なるアプローチのコンセプトがフロントウイングに取り入れられ、2014年のシーズン後テストで初披露された。
マルチエレメントのフロントウイングは、マクラーレンをメルセデスやレッドブル、それにフェラーリのコンセプトに近づけた。開発体制の基盤となるメカニカルプラットホームが変わったことで、よりよいシャシー改善への道筋が形成された。
シャシーに必要なのは、よりよいパワーユニットだ。
ホンダはF1に復帰する時、その挑戦を過小評価していた。現在のエンジンレギュレーションになってから2年目の2015年、つまり他チームより1年遅く参入したホンダはマイレージと開発の面で不利な立場にあった。リソースが潤沢なメルセデスやフェラーリ、それにルノーといったライバルたちに追いつくのは用意ではなかった。
これは真新しいパートナーシップではなく、再度結ばれたパートナーシップである。しかし、ホンダが最後にF1に参戦していた2008年から、F1界では多くの物事が変わってしまった。ホンダ・エンジニアたちがF1を離れている間に、週末の働き方も変わってしまったのだ。マクラーレンがこのルーティーンに精通していたのに対し、復帰したばかりのホンダは精通していなかったのだ。ホンダが今のF1の週末の動きに慣れるまでには数レースが必要だった。
データ分析においても、コミュニケーションに関する問題を克服するために時間が必要だった。しかし次第に、去年から今年に渡って、マクラーレンとホンダは作業のすべてがより統合されていった。この同期現象はチームに自信を生み、効率が改善されていった。
(後編につづく)
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