更新日: 2019.08.05 11:17
レッドブル・ホンダ密着:3番手以下のライバル不在が仇に、フェルスタッペン2位はベストを尽くしての結果/F1ハンガリーGP決勝
では、ハミルトン同様に2ストップ作戦に変更していたら、どうなっていたのだろうか。もし、ハミルトンが2回目のピットストップを行う前にピットインしていたら、ハミルトンはステイアウトし、1回目のピットストップ以降、フェルスタッペンよりも速いペースで走っていたことを考えると、タイヤ交換しても、フェルスタッペンがハミルトンに追いつくのは難しかっただろう。
次にハミルトンが2回目のピットインをした後に、フェルスタッペンが2回目のピットインをしていたらどうなっていただろうか。タイヤ交換をした後のハミルトンのペースは、一気に上がっていたため、フェルスタッペンは結果的にハミルトンのアンダーカットを許す形となっていたに違いない。さらにハミルトンの前を走行していたフェルスタッペンが、同時ピットインを行うことは不可能だった。
つまり、この日、フェルスタッペンに自力で勝つチャンスは、残念ながらなかった。しかし、田辺TDが「今日の状況ではベストを尽くせた」と言っているように、異なる状況でレースが展開されていれば、フェルスタッペンの優勝もあった。その状況とは3番手以下がハミルトンと20秒差以内でレースしているというものだ。
そうなっていれば、ハミルトンが2回目のピットストップを行うと、3番手に後退してしまうため、メルセデスは2ストップを行わなかっただろう。また行なったとしても、2番手のドライバーを抜かなければならず、チェッカーフラッグまでにフェルスタッペンを攻略できていなかったのではないかと思われる。
ハンガリーGPの予選でポールポジションを獲得したフェルスタッペン。しかし、その速さがレースではフェラーリを置き去りにするというアドバンテージとなった一方で、結果的にハミルトンに戦略の自由度を広げる結果となり、レッドブル・ホンダにとっては仇となってしまった。
「ポールをとって、あそこまでトップを守りながら、負けたことはやっぱり悔しいですが、しっかりと2位表彰台に上がれたことは、今後の戦いにつながるという意味では良い結果だったと思います」
田辺TDはそう言って、夏休み前の一戦を締めくくった。