ホンダとの二人三脚で持ち帰った3位表彰台。ドイツとハンガリーの2連戦で示したチームの底力/トロロッソ・ホンダF1コラム
さらにホンダもこれをアシストすべくパワーユニット(PU/エンジン)をアグレッシブに使い、マイレージ制限の許す範囲内でギリギリまでパワーを引き出してクビアトの表彰台獲得を援護した。これもまた昨年までのトロロッソ・ホンダにはなかったことだ。
しかし、ドイツGP予選では苦戦を強いられQ3進出どころか14番手・17番手と大きく低迷してしまった。
「予選の1周アタックでは、1周を通してタイヤを正しいウインドウにキープして(ピークのグリップを)1周保たせるのに苦労しているんだ。僕らが苦しむのは暑いコンディションでソフトタイヤで走るような状況だ。涼しいコンディションではかなり楽になるし、ドイツGPでも周りのライバルと比べてレースペースのコンペティティブさは少し驚きだったけどね」(アルボン)
暑いコンディションで柔らかいタイヤを使うとなると、タイヤ温度をコントロールするのにも苦労する上に、セットアップ面でもスイートストポットの狭さが災いしてマシンバランスに苦しむ。
それが今年のトロロッソSTR14の特徴だ。ホッケンハイムではウエットコンディションに救われたが、マシン特性は昨年までのトロロッソとは大きく異なる。良くも悪くも、これも今年のトロロッソの変化だ。
表彰台に沸いたドイツGP後、連戦となった第12戦ハンガリーGP。昨年はピエール・ガスリーが好走を見せて中団グループトップの6位を獲得した。しかし今季のトロロッソSTR14ではそのような快走が難しいだろうということは最初から分かっていた。そして実際にその通りになってしまった。
「金曜も予選もマシンバランスが前後バラバラなフィーリングになってしまって、セッティングをSTR14の狭いスイートスポットに上手く入れることができなかった」
アルボンはそう語り、クビアトも「エンジニアとの間で誤解がありステアリング上のボタン操作が違っていた」というものの「いずれにしてもこれが今のこのマシンの限界だった」と12、13番手に終わった予選を振り返った。