かつてのヒーロー、アロンソがカムバック。2月に聞いた情報は本当だった!/スペイン人ライターのF1便り
実際のところ、アロンソがもはやマクラーレンやトヨタと関係していないことが疑われる兆候はいくつかあった。そして偶然にも、アロンソのカートサーキットは当時もルノーがスポンサーを務めていた。だがこれほど途方もないニュースをどう信じることができるだろう?
私はフェルナンドにお礼を言わねばならない。彼は私に貴重な人生のレッスンを与えてくれたのだから。信じられないような噂も少しの真実を含んでいることがあるので、人々と話をして情報を検証することが重要だ。時には意外なことに行き当たるかもしれない。もちろんその数週間後に私は真実を知るのだが、最初私は信じていなかったのだ!
アロンソのF1復帰は実際驚くべきことだ。アロンソはF1から2年間(2019年と2020年)離れているという事実があるにもかかわらず、39歳という年齢で復帰し、彼を2度のF1世界チャンピオンにしたチームで再度戦うというのだ。そしてアロンソは世界でも偉大なレースのいくつかに参戦していた。
ル・マン24時間とデイトナで優勝した後、インディ500とダカールラリーにも参戦した。(彼はダカールラリーに参戦した後にF1でレースをする初のドライバーということになると思う)私は彼がこうしたレースへの参戦を継続するものと想像していた。セブリング、バサースト、スパ・フランコルシャン、ニュルブルクリンク……。
だがアロンソは、一番彼が楽しめるレーシングシリーズであるF1に復帰することを選択した。これは素晴らしい展開であり、もしアロンソがかつてのように速ければ、彼がまたレースをして若いドライバーたちと戦うのを見るのは大きな楽しみになるかもしれない。ただ私は彼の気難しさが今も健在なのか少し心配しているが……。
一方で私は悲しみを覚えずにはいられない。今年、アロンソはインディ500に参戦するが、マクラーレンが勝利するため最高のチャンスを彼に与えるかどうかは定かではないからだ。アロンソはF1にいる間は、インディ500には参戦しないだろう。つまり次の挑戦は2、3年後になる。アロンソは41歳や42歳という年齢でインディアナポリスに戻るだろうか?もしそうしたら、優勝できるほど十分な速さを出せるだろうか?
私にはそれが不可能だと思えるのだ。だから私はアロンソが三冠達成の夢を“諦めた”のはなぜかなのか考えている。答えの可能性はそれほど多くないだろう。ひとつには、単にアロンソがF1での競争をなによりも楽しんでいるからだ。これは確かにあり得そうだ。
しかしアロンソはルノーの将来について、我々が知らない何かを知っているのだろうか?ルノーが2022年に素晴らしいマシンを作り出し、アロンソが世界チャンピオンになることが期待できるのだろうか?それもひとつの理由になり得る。3番目は、報酬が非常に良いか、もしくはアロンソが彼のブランドKimoaの宣伝をする良いチャンスになるかもしれないことだ。
本当の理由はこの3つの組み合わせである可能性もある。だが私は彼の選択に驚いた。アロンソはルノーからF1に復帰し、エステバン・オコンのチームメイトになる。(オコンの家族は実はスペイン系だ)このことはまったく予想していなかったが、素晴らしいニュースを大きな関心を持って歓迎している。
スペインのモータースポーツにおいて初めて、この国のドライバーが3人、F1のワークス2チームからレースに出るのだ。これに近い例では、2003年と2004年にマルク・ジェネがBMWウイリアムズで数回レースに出場したことがある。当時アロンソはルノーにいた。
2021年、アロンソは再びルノーに加入し、彼の“弟子”であるカルロス・サインツJr.はフェラーリに移籍する。私はこのふたりのドライバーのファンというほどではないが、彼らに何ができるか、どのように戦えるのか、とても興味がある。そして次の機会には、私は噂に耳を傾けるだろう……。