更新日: 2017.02.01 17:17
【特集】エクレストンはF1界の「ヒーロー」か「悪党」か:(1)悪党編
歴史あるグランプリの排除はファンへの裏切り
サーキットの問題もある。政治的に問題を抱えた(しかしリッチな)国にグランプリ開催を許す契約を結ぶ一方で、エクレストンは伝統的な開催地、イコール、F1を愛する人々には非常に冷酷だった。
数百万ポンドもの開催料金がサーキットに課されるだけでもひどいことだが、契約に盛り込まれる条件は、政府や非常に裕福な企業からの支援がなければビジネスとしてほぼ成り立たないようなものなのだ。
サーキットはチケット販売からしか収入を得ることはできない。イギリスGPには多数の観客が訪れているというのに、シルバーストンは他の活動によって資金を補充しなければならない。そういう状況を考えれば、今のビジネスモデルが間違っていることが分かるだろう。その上、開催料金は年々5パーセントずつ上がっていくのだ。
そういったアプローチのせいで、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、ベルギーといったグランプリがカレンダーから脱落したり、脱落の危機にさらされている。エクレストンは、まるでこの世界に入った時に抱いていた情熱が失われていないかのように、グランプリを窮状から救うために手を差し伸べたこともあるといわれているが、それでも今の流れは止まらない。
だからこそ、バーニーが去ることに対するファンの反応は、「時間の問題だったよね」とか「せいせいした」といったものが多いのではないだろうか。もしも彼がもっと早く身を引いていれば、温かい反応で見送られたのだろうが。
※第2弾「ヒーロー」編は後日掲載いたします。
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています