「フェラーリランド」に、はしゃいでる場合じゃない? @スペインGP現地情報
いよいよヨーロッパラウンド開幕! ムッシュ柴田が気になる話題をレポートします。バルセロナにも、フェラーリのテーマパークが建設されるらしいんですが、チーム代表が浮かない顔の理由は……。
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スペインGP最初にして最大の話題といえば、やはり木曜日のFIA定例会見だったでしょう。なにしろレッドブルから降格されたダニール・クビアトと、代わりに昇格を果たしたマックス・フェルスタッペンを隣どうしに座らせるという、えげつない演出。言葉を交わすどころか目も合わさないふたりが、どんな発言をするのか。ふだんは、がら空きのことが多いのですが、そんな期待に胸躍らせたジャーナリストたちで狭い会場は超満員でした。
様子は、まさに好対照でしたね〜。願ってもないチャンスを得たマックスは「トップチームでレースするのが夢だった」と、満面の笑みで抱負を語ります。
一方、クビアトくんはというと、顔は上気して、目線に力がありません。「中国では表彰台に上がったし、きっちり結果は出してきた。どうしてこんな決断が下されるのか、理解できない」と終始うらみ節でした。気持ちは、すごくよくわかるのですが、すでに前しか見ていないマックスに対し、起きてしまったことにこだわり続けていた印象です。
こういうときは新しい職場で全力を尽くすしかないのですが、そこまで気持ちが吹っ切れていない様子。そのあたりが初日フリー走行で思うように走れず、いきなりダニエル・リカルドに迫る速さを見せたフェルスタッペンとの、残酷な差になってしまったような気がします。がんばれ、ダニール!
フェラーリのホスピタリティでは、セバスチャン・ベッテル選手が会見中。彼に2回も追突したことが、結果的にクビアト更迭の引き金となったわけで、ベッテル本人も少し居心地が悪そうでしたね。
この会見の前にフェラーリは、こんな発表会も開いてました。
来年「フェラーリランド」というテーマパークを、バルセロナにオープンするというのです。アブダビにあるフェラーリワールドの、ヨーロッパ版ですね。
超高速ジェットコースターとか、シミュレーターとか、アブダビの人気施設がバルセロナでも体験できると、担当者は熱く語ってましたが
同席していたマウリツィオ・アリバベーネ代表、めちゃくちゃノリが悪かったです。ひとことで言うと、心ここにあらずという感じ。なかなかメルセデスとの差が縮められず、クビの噂さえ飛んでますからね。「テーマパークどころじゃ、ないぜ〜」と、本当は叫びたかったのかもしれません。
そのメルセデスは、ごぞんじのようにニコ・ロズベルグの独走状態。勝ちっぷりを反映してるのか、ピットレーンでのサイン会も大盛況でした。
でも、少し離れたところにいたルイス・ハミルトンへとレンズを向けると、こちらのほうが、はるかに熱狂的なファンが押し寄せています。
ルイスが、どこにいるかと言うと……スペシャル仕様の「えんじ色」のキャップを探してください。そしてメルセデスの黒キャップを被ったおばさま、なんとまあタンクトップの胸元にサインをせがんでました。あわてず、さらさらとペンを走らせるルイスくん。さすがのプロ根性です。