“ガンダム風”処理のヤリスWRC、見た目も好評【WRCモンテカルロ現地情報2】
トヨタの戦いぶりを見届けるべくWRCモンテカルロを取材中のauto sport取材班。期間中はauto sport編集部の高橋カズキヨが現地情報をたっぷりお届け。
現地ルポ2回目はサービスパークに姿を見せたトヨタ・ヤリスWRCの人気ぶりをレポート。外国の方にヤリスWRCのルックスはどう評価されているのでしょうか。
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17日の夜遅くまでスタッフが組み上げていた、トヨタのホスピタリティブースとガレージが堂々完成。ただ、ガレージの幕はなかなか上がらず、待ち切れない一部のファンが「早く見せなさい!」とばかりに、自撮り棒で幕の下の隙間からヤリスWRCを撮っていました(笑)。
行儀としては決して良くないですが、気持ちは激しく同意!
この日は、昼間のうちに車検、16時からシェイクダウンというのがサービスパーク内での主なスケジュール。13時くらいになると、トヨタのガレージ内でエンジン音が「ウォンウォン」とうなりをあげ始め、多くのファンがガレージの前に。ユホ・ハンニネンのクルマが車検場に向かうために出てきました。

14時ごろになると、ガレージが唐突な感じでオープン! そして、ファンはマシンを撮り放題に!! WRCはマシンやドライバーとファンの距離が近いことが大きな魅力のひとつと聞いていました。やっぱりこうでなくちゃいけませんよね。結果的にもったいぶったような形となりましたが、焦らされた反動なのか、ファンが一気に押し寄せてきました!
15時ごろからは、トヨタのホスピタリティブースでドライバーとコドライバーのサイン会がスタート。エースドライバーのヤリ-マティ・ラトバラ(左から2番目)、先にトヨタ入りしたハンニネン(一番右)も多くのファンのサインやツーショットのリクエストに応えていました。
ラトバラは1985年フィンランド生まれ。2002年RACラリー(イギリス)でWRCデビュー後、08年にフォードのワークスドライバーに抜擢され、13年からはフォルクスワーゲンに移籍。VWの撤退後、トヨタに加入しました。
彼は01年フィンランド国内のラリーイベントでカローラ1600GTを、03年にはエストニアのラリーでカローラWRCをドライブしており、トヨタとの縁にはかなり古いものがあります。そう聞くと俄然、応援したくなっちゃいますよね。WRCにはこのモンテ前まで通算169戦に出場して16勝。でも、シリーズチャンピオンはまだ獲っていません。
勝ち切れていない原因は、課題として挙げられている気持ちの浮き沈みの激しさでしょうか……。ゾーンに入ったときはバカッ速いけど、乗れていないときはからっきしダメ、と両極端のようです。
この日のシェイクダウンでは4番手。タイヤ選択が各車バラバラなので一概には言えませんが、走行後のインタビューでも笑顔が見てとれましたので、マシンの仕上がり具合は悪くなさそうです。
ハンニネンは1981年フィンランド生まれ。ラトバラより年上ですが、WRCデビューは2006年ラリー・スウェーデンと、WRCへの“業界入り”という点ではラトバラの後輩となります。10年にIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)のシリーズチャンピオン、11年にS-WRC(スーパー2000世界ラリー選手権)のシリーズチャンピオン(マシンは両方ともシュコダ・ファビアS2000)を獲得しましたが、WRCでは確固たるリザルトを残していません。
しかし、その開発能力の高さを買われ、プロジェクト早期からヤリスWRCのテストドライバーを務めています。
WRCフル参戦は今季が初めて。冷静沈着ながらオープンなキャラクターということで、ジャーナリストやカメラマンからも人気があるそうです。WRC通算43戦出場。14年シリーズ13位。