国家の威信を示すF1だけに(?)報道も独特の雰囲気/バーレーン特派員レポート
こちらはパドック外の話題も引き続きお送りする、バーレーンからの臨時特派員レポートです。レポーターは引き続き、ムッシュ柴田さん。まずはパドック内を、うろうろしていた、とってもバーレーンらしい人から。
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バーレーンGPも、ルイス・ハミルトン負けちゃいましたね。しかも、メルボルンに続いてスタートを失敗してしまい。
レース前は、こんな格好でパドックを闊歩して
歩きながら自撮りまで、してました。そんな余裕かましているハミルトンと、必死のニコ・ロズベルグとの差は、どんどん開いていくような気がします。
レース翌日の地元紙をチェックしてみました。英字紙、アラビア語紙、いずれもF1が一面トップです。年に一度の、国を挙げての大行事感が、紙面を眺めるだけでも伝わってきます。
ただし純粋なスポーツイベントとして捉えてるかというと、ちょっと違う感じです。手前の新聞の大見出しも「F1は経済発展を、大きく加速させる」ですからね。
違和感を感じる紙面は他にもいろいろあって、たとえば上の新聞。アラビア語なので内容は全然わからないのですが、レース写真と偉い人たちの顔写真が同居してます。スポーツ面なのか、雑感ページなのか、どうもよくわかりません。
これなんかも、そうですね。キミ・ライコネンと上にいる4人のオジサンたち、いったいどんな関係があるのでしょう。
わからないといえば、これも。登場人物はフェラーリのドライバー風ですが、ヘルメットはセバスチャン・ベッテルでもライコネンでもない。帰国途中、経由地のアブダビに着いてから、ふきだしの意味を現地の人に尋ねてみたら「これ、アラビア文字じゃないなあ」と言い出すじゃないですか。え? バーレーンって、アラビア文字を使ってないの? 「最初は『ウェルカム』って書いてあるみたいだけど……」とのこと。単に「また来年、会いましょう」ということなんですかね。
余談ですが、サーキットで毎晩行われてたイベントには、日本のダンスユニット「Siro-A」が出演していたみたいです。存じあげず、観に行くこともできず、情報不足で、すみません。
首都マナマの様子も、ちょっとだけ紹介しましょう。なかなかユニークな看板が多くて、それだけ見ながら散歩しても楽しいです。たとえば、このレストラン。料理の写真だけでも十分カラフルですが、両脇に並ぶ、食材となった方々の「生前の姿」が効いてます。
この種の看板も、あちこちで見ました。外を歩く時は基本的に黒ずくめなので、この格好は、どこでするんでしょうね。それから「2013」という数字は2013年のことなんでしょうか。ニューファッションと書いてあるけど、3年前???
こちらは、男性用。
道路脇で目につくのは、交通安全の看板です。「赤信号で渡るのは、あぶない!」 矢印で示されているイラストが、なかなかブラックな味わいです。
それに比べると、こちらは深刻です。それだけ事故が多いんでしょうね。道路は比較的空いてるし、富裕層は大排気量のクルマが大好きだし、一度事故が起きると、かなり重大なものになるみたいです。
そうしたら目前で、事故が起きていました。
幸いケガ人はいないようでしたが、バスやトラックも巻き込んだ5重衝突です。
どうやら一番前にいたメルセデスが急ブレーキを踏んだようで、でも、このクルマだけは無傷。運転手が、おまわりさんに、さかんに食ってかかってました。日本だったら、完全に公務執行妨害レベルでしたね……。
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柴田久仁夫(しばた・くにお)
1982年よりパリ在住。TVディレクターとしてヨーロッパ、アフリカ各国を10数年間取材。初めてのF1は1987年のモナコGP。中嶋悟という日本人が参戦していると聞いて興味本位に首を突っ込み、以来そちらが本職に。幸い旅行が大好きで年間100日以上のホテル暮らしも苦にならない。趣味はランニングと、おいしいものを食べて飲むこと。