Shots!──熱田カメラマンのロシア、金曜日。ベッテル選手の宿題。
金曜日の一番の出来事といえば、レッドブルの、この1周だったんじゃないでしょうか? ドライバーの安全を考慮するというのは、いつの時代、どのカテゴリーのモータースポーツでも常に重要な課題です。もちろん、僕も安全にレースをしてほしいと思います。フォーミュラカーというのは、4輪のタイヤがむきだしで、接触すれば非常に危険な状態になることは過去のレースでも見てきました。スピードを競う競技である以上、ある程度の危険を承知で、競技は成立しているのではないでしょうか?
安全だけを突き詰めて考えれば、4輪をカバーして、ドライバーをボディの中に隠し、エアバックを完備し、サーキットのセーフティゾーンを広大にしていかなければなりません。そうなって見に来てもらう、お客さんは楽しいでしょうか? そうなっていかなければ、モータースポーツは存続できないんでしょうか?
でも、安全性の追求というのは絶対に必要だとは思います。誰も怪我をしたりすることは望まないですからね。
今回はテスト目的ですから、この形が採用とはならないとは思いますが、もし可能であれば別のデザイン、方法をとってほしいというのが率直な感想です。ドライバーの存在が、どんどん遠くにいってしまうような気がしてしまいます。
ハースの小松さんは金曜の記者会見に出席。今回どんなレースを見せてくれるのでしょう。フリー走行2回目(FP2)が終わって16位、17位。マシンのスイートスポットが狭くて、まだセットアップをつかみきれていないそうです。まだ、生まれて間もないマシンですから、これからどんどん進化していくに違いありません!
アロンソ選手は10位でした。
バトン選手は8位。絵になりますね!
初めてホンダ長谷川さんの囲み取材に行ってみました。僭越ながら質問させていただきました。
ホンダF1参戦の第2期、第3期では、それぞれどのような取り組み方だったのか。いまは、どのように感じますか?
答えは、第2期はホンダという会社のレース部門だけで一所懸命やって勝てた。第3期は難しかったけれど、なんとなく頂上は見えた。現在は、とてつもなく他メーカーとの差があるのを埋めるのに、さまざまな面で努力しなければならないので頑張っています──ということでした。ホンダファンの気持ちを考えると、ありがたいともおっしゃっていました。
このサーキットは全開率が高くて燃費が厳しいそうです。
FP2で、最終コーナーを立ち上がったところでマシンを止めたベッテル選手。オフィシャルさんに押してもらって、ピットまで戻してもらったところ。
電気関係のトラブルだったとか・・・
そしてピットの後ろで、何やら懸命に書いていました。
ペロンとめくったところで透けて見えたのは、コース図。きっとセットアップのための資料づくりなんでしょうね。書き上げてエンジニアに渡していました。
何と書いてあるのか? さっぱり、わかりませんね……。
気温は低くて、ギリギリ半袖かな。短パンの出番はなさそうです。
予選は、どうなるんでしょうね。楽しみです。
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熱田護(あつた・まもる)1963年生まれ。三重県鈴鹿市出身。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。2輪世界GPを転戦し、1991年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行う。2016年もF1全戦をカバーする予定。WEB:Mamoru Atsuta Photography