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投稿日: 2024.02.27 18:00
更新日: 2024.02.27 16:39

決着は0.003秒フォトフィニッシュ! ダニエル・スアレスが3ワイドで王者を撃破/NASCAR第2戦


海外レース他 | 決着は0.003秒フォトフィニッシュ! ダニエル・スアレスが3ワイドで王者を撃破/NASCAR第2戦

 この“ビッグワン”の影響を被ることなく、むしろ逆境を逆手に取ったのが前年度アトランタ覇者のロガーノで、決勝開始前にドライバーの防護服や装備を規定する「NASCAR規則14.3.1.1に違反した」と指摘された2022年度チャンピオンは、左側のドライビンググローブ親指と人差し指の間に規定違反の改造があったとして最後尾に回されたものの、ピットスルーペナルティでのロスも最小限に留めることに成功。ラップダウンも免れ、ステージ1終了時点で12番手にまで回復してくる。

 ここで上位勢がピットに向かったことで、ブレイク後は2番手からリスタートしたフォードの22号車は、迎えた99周目にギリランド(序盤混乱の起因ながらレースハイの58周リードを記録)を抜き去り、6台の“ダークホース”艦隊を率いてトップに返り咲く。

 しかしロガーノの運命はふたたび暗転し、ステージ2の最終ラップでハイラインに移ろうとした際、そこにいたクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)と交錯。さらにこの日はブッシュとも絡むなど再三のアクシデントに遭遇していたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)も巻き込み、事実上の勝負権を失ってしまう。

 一方で、ポール発進からステージ1制覇を決めていたマクドウェルは、ピットロード入り口付近でブレーキをロックさせ、前戦デイトナ覇者バイロンと接触。ここでラップダウンを喫するも、終盤はオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らと4ワイドを演じて優勝戦戦の輪に踏み止まる。

 その後もブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)やカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、チェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)らが姿を消すなか、残り12周でチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)も、昨季自身の代役を務めたジョシュ・ベリー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)らとクラッシュの連鎖に飲み込まれていく。

 ラスト5周で再開された勝負は、ダメージを抱えてここまで来たスアレスの背後から、王者ブレイニーやトヨタ陣営で気を吐くマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)、そしてブッシュらが迫ってくる。

 ここですぐさまトップの座を掴み、4周にわたってその座を維持したディフェンディングチャンピオンが、ファイナルラップに向けボトムレーンを選んだのに対し、スアレスとブッシュはそれぞれハイ、ミドルのラインを選択。ターン3から”3ワイド”となった3台はそのままゴールラインを通過し、浮き沈みの激しいサイド・バイ・サイドの饗宴はタイミング上でわずか0.003秒差の決着となった。

ダメージを抱えてここまで来たスアレスの背後から、王者ブレイニーやトヨタ陣営で気を吐くマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)、そしてブッシュらが迫ってくる
ダメージを抱えてここまで来たスアレスの背後から、王者ブレイニーやトヨタ陣営で気を吐くマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)、そしてブッシュらが迫ってくる
ボトムから勝負を支配した新王者ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)だったが、わずかに届かず
ボトムから勝負を支配した新王者ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)だったが、わずかに届かず
「まるで『ライトニング・マックィーン』風のフィニッシュなんて大嫌いだ!」とカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ/右)
「まるで『ライトニング・マックィーン』風のフィニッシュなんて大嫌いだ!」とカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ/右)

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