更新日: 2024.08.16 18:46
疑惑の勝利から3日。優勝は留保もオースティン・ディロンのプレーオフ出場資格が剥奪へ/NASCAR
「まずはファンの皆さんに、裁定に関してこれほどに時間が掛かったことをお詫びしたい」と語るのは、この件の直後にも「接触の許容範囲に関する考え方を再考する必要がある」と明かしていたNASCARの競技担当上級副社長を務めるエルトン・ソーヤー。
「皆さんはこのプロセスの間、ずっと辛抱強く待ってくれていた。今、我々は彼らと話し合いをし、なぜこの決定にこれほど時間がかかったのかを彼らに伝えているところだ」と、ただ裁定を下すだけでなくNASCARとして正しい裁定を下すことの重要性を理解していたことが、ペナルティの発表に3日を要した最大の要因だと強調する。
このプロセスは日曜の夜に起きた事件に関し、入手可能なすべての情報を収集することから始まり、ファンもオンラインで活用可能なライブSMTデータや車載ビデオ、オーディオの調査を続け、必要な会議を経てプレーオフ出場資格の剥奪を確定させた。
この後、RCR側はこのペナルティに対し異議を申し立てることができるものの、ディロンがポストシーズン出場権を獲得するためには、レギュラーシーズン残り3戦で改めて勝利を手にする必要がある。
「もっとも大事なことは(最終戦の)フェニックスにたどり着いたとき、プレーオフとチャンピオンシップの健全性を確実に守ることだった」と続けたソーヤー。
「選手たちにはすべての決定を理解してもらい、懸命にレースをして欲しいと思っている。それが75年以上もの間、我々の“スポーツ”が目指してきたことでもある。しかし、今回は一線を越えたということを選手たちにも理解してもらいたいし、すでに選手全員が理解していると思っている」
過去2年間に、NASCARは2022年のダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)や2023年のチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)と、ライバルに“右フックを浴びせた”とみなされた2名を出場停止処分にしており、今回のディロンの件もそれと比較検討されたという。
「しかし個々の状況はそれぞれに異なっている。全体を考えてみると、今回の3号車とそのオーナーに課したプレーオフ資格を剥奪するペナルティは、日曜の夜に起こったことと合致していると感じた」とソーヤー。「これに出場停止処分を加える必要はないと考えている」