更新日: 2024.11.19 16:44
新王者ウィル・ブラウン誕生。オープニング勝者の僚友ブロック・フィーニーを退け初戴冠/RSC最終戦
こうして迎えた今季最終ラウンドは予選からドラマチックな展開となり、オープニングセッションからリッチー・スタナウェイ(ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)、キャメロン・ヒル(マット・ストーン・レーシング/シボレー・カマロZL1)、さらにデビッド・レイノルズ(チーム18/シボレー・カマロZL1)らが高速ライトハンダーのターン8出口で壁に激突し、セッションが中止される事態に。
これによりバリアが損傷し、サーキットの夜間外出禁止令が出る前に修復ならず。ウィル・デイビソン(シェルVパワー・レーシング/フォード・マスタング)やチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)らが、予選トップ10シュートアウト進出を逃す結果となる。
明けた土曜に設定されたグリッド決定戦では、僚友トーマス・ランドルを従えたキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)が今季7度目のポールポジションを獲得し、フォードが最前列を独占。一方のフィーニーは2列目3番手、ブラウンはその背後の5番手でレース1を迎えることに。
シグナルが消えると、ランドルが最高の蹴り出しを決めてウォーターズの前に出て、そのままオープニングスティントのリードを守っていく。その背後では前方のマット・ペイン(ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)を早々に仕留めて4番手としたブラウンが、タイトル候補であるチームメイトにプレッシャーを掛けていく。
トラックポジションを獲得するためにT8陣営はフィーニーが先に動き、アンダーカットを狙って真っ先にピット作業へ。首位ランドルと2番手ウォーターズが次のラップで飛び込むも、ここでシボレー陣営の1台に先行を許してしまう。一方、先頭集団では最後の作業となったブラウンは、停車時にロックしてわずかにポジションを外れ、タイヤ交換の遅れを招き痛いロスを喫する。
やはり2回目の給油が長引くことがわかっていたフィーニーは、トップのアドバンテージを広げようと懸命なプッシュを見せると、今度はフォード陣営が先に仕掛けるも挽回ならず。ブラウンはふたたび4台の最後で2回目のピットストップを行い、3番手ランドルの背後へと復帰していく。
ここで奇襲を仕掛けたブラウンは、ターン9のはるか後方からインサイドへ大胆な飛び込みを見せ、ここで表彰台圏内の3番手へ。さらにポールシッターのテールへ迫ると、一気に追い抜いてT8のワン・ツーフォーメーションを完成させることに。これで2022年に続きアデレード市街地での2勝目を飾り、自らの仕事を完遂した勝者フィーニーに対し、ポイントスタンディングで圧倒的なリードを確保したブラウンが、晴れて2024年のRSCチャンピオンに輝いた。