更新日: 2019.09.03 17:14
FIA F2モナコで3位表彰台、派手さのない“普通の”レース週末で示した松下信治の成長ぶり
8周目に出た1回目のセーフティカーではチームメイトのアレクサンダー・アルボンがピットインしスーパーソフトに換えたのに対し、松下はステイアウト。そして22周目まで粘って2度目のセーフティカーでタイヤ交換をしたことでピットロスは最小限に抑え、ポジションを上げた。
悔やまれるのは、このピット作業に手間取ったために同時ピットインのアルテム・マルケロフに先行されてしまったことだ。
「タイヤ交換自体は少し手間取った程度だったんですけど、後ろからアルテム(・マルケロフ)が来ていたんで、ジャッキ担当のスタッフが待ちすぎてジャッキを下ろすのが遅すぎたという感じです。それで抜かれちゃいました」
首位を快走していたシャルル・ルクレールがセーフティカーの入る直前にピットインしたことで後退し、さらに左フロントサスペンションのメカニカルトラブルでリタイアしたことで松下は3位でレースをフィニッシュ。予選と決勝の両方の純粋な実力が問われるレース1での表彰台獲得は自身初だ。
「2位になれたかもしれないので悔しさもちょっとありますけど、最後はオプションタイヤのデグラデーションが厳しかったし、今日はクルマ的にこれが精一杯でした。まぁ表彰台が獲れたんで悪くないですね、ポイント的にも結構大きいですから」
6番グリッドからスタートとなるレース2に対しても、松下は「スタートで1台抜いて5位フィニッシュが妥当」と冷静な見方をしていた。無理な背伸びをせず、自分の置かれた状況の中で最大限の走りをする。今季の松下は、精神的な強さを手にしたことでそういうレース運びができるようになった。