FIA F2イタリア:絶体絶命の状況から起死回生の2位。ランキング6位に浮上した松下信治
松下はポールポジションからスタートで出遅れてニック・デ・フリースにかわされ、なんとかアルテム・マルケロフは抑えて2位で第1シケインに入っていった。
「雨のスタートは初めてで、クラッチをそっとつながなきゃいけないのでいつもとは違ってシングルクラッチ(パドル1枚)でやったんですけど、それでもホイールスピンしてしまいました。もう少し練習しないといけないなと思いました。2位でターン1に入っていったんですけど、イン側にいた(アルテム・)マルケロフがニック(・デ・フリース)とぶつかって、バン!って飛んできたんで僕もそれを避けようとして外に逃げました」
その後もペースが伸びず、シャルル・ルクレール、オリバー・ローランド、ルカ・ギオットら選手権上位のドライバーたちに抜かれていってしまった。ウエットコンディションでマシンに自信を持って攻めることができなかったのが原因だった。
「ウエットコンディションに対しての自分自身のパフォーマンスがまだまだだと思いました。セッティングでもやりようはあったでしょうけど、それよりも僕自身のドライビングだと思います。正直、悔しいですけどね」
ピレリのF2用ウエットタイヤとヨーロッパの舗装路面の組み合わせでは、ウエットコンディションのグリップレベルはかなり低い。日本ではウエットでも速さを見せた松下だったが、これには苦戦させられた。
「違いはコーナリングスピードです。ブレーキを踏んでリリースしてからの(コーナリング中に)クルマを転がすスピードが彼らはかなり速かったように感じました。僕はすごくオーバーステアで、走り方のせいもあったんでしょうけど、攻めきれないというか。日本でレースをしていたときはウエットは速かったし自信もあったけど、こっち(FIA F2)ではウエットでは全然グリップしなくて滑りやすくて、それがしんどかった」
16周目にピットインしてウエットタイヤを履き替えると、チームによる内圧の調整が上手くいったのかフィーリングは向上しペースも上がった。そして5位を走行していた19周目、ピットアウト直後のローランドの左リアタイヤが外れてコース上にストップ。これでセーフティカー導入となり、全車の差が縮まった上でレースは残り2周で再開されることとなった。
まず再開直後の22周目の第1シケインで首位デフリースに2位ルクレールが猛攻を仕掛ける。ルクレールは止まりきれずにオーバーシュートし、デフリースも挙動が乱れたところを3位のギオットが抜いてトップへ。パラボリカ出口でギオットのインに並びかけたデフリースがそのまま並走して第1シケインにアプローチすると、今度はギオットがオーバーシュート。