更新日: 2018.03.23 15:06
雨に翻弄されたインディカー・バーバー公式テスト。ロードコースはペンスキーが一歩リードか
「テストのチャンスを与えてくれたロジャー・ペンスキーに感謝しているよ。今年のマシンは新しいエアロパッケージになっているのだから、それを学ぶチャンスは少しでも多い方がいい。実際に乗って感じたのは、昨年までのマシンとは大きく違っているということ。コーナー進入でのハンドリングがシビアだし、いくつかのコーナーではリヤがかなり不安定だった」
「走り出した直後の印象は、”これは結構大変だぞ”というものだったが、乗っていくうちにドライビングやセッティングを変えて、タイムを縮めていくことができた。新しいマシンに対応したファイアストンタイヤについてなど、まだまだ学ぶべきことは多い。それでも、昨年までのマシンより速いし、乗っていて楽しかったよ」とカストロネベスは語った。
チーム・ペンスキーは開幕前に一度バーバーでテストを行ったうえに、マニュファクチャラーテストでも走っており、かなり準備の整った状態。そんな彼らが4台を走らせ、昨年度チャンピオンで昨年のバーバー・ウイナーでもあるジョセフ・ニューガーデンがトップタイムの1分07秒9793をマーク。2番手はウィル・パワーの1分08秒15363で、3番手は1分08秒3155のカストロネベスだった。シモン・パジェノーは9番手につける1分08秒7043。トータル103周も走ったチャンピオンチームはライバルに対してのアドバンテージを今回広げたと見ていいだろう。
バーバーでのオープンテストは、出場全チームが常設ロードコースに初めて集まって行われた。ストリートではすでに1レースを終えているインディカーだが、スムーズでスピード域も高いロードコースではマシンのパフォーマンスも大きく異なる。この状況でどこが飛び出すのかが注目されていたが、ストリートでの開幕戦セント・ピーターズバーグで今ひとつだったチーム・ペンスキーがライバルたちをやや突き放した強さを見せた。彼らは雨が降ってテストが短縮されると読み、そのコンディションでテストできる項目のチェックを行った。
そのペンスキー勢の後ろ、4、5番手のポジションにはデイル・コイン・レーシングのコンビがつけた。開幕戦でラッキーウインを飾ったセバスチャン・ブルデーが1分08秒3820で4番手。ただし、トップとの間には0.4027秒の差があった。優れたチームメイトに恵まれた環境をフルに活かし、カナダ出身ルーキーのザッカリー・クラマン・デ・メロが1分08秒5613で5番手につけたのは素晴らしかった。
6番手でテストを終えたのは佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。11ラップしかできなかったのは、路面ができ上がるまで走行開始を遅らせたため。走り出して5周目にすっと自己ベストの1分08秒6335を記録。ただし、トップのニューガーデンとの差は0.6542秒もあった。
「僕らは開幕の前に一度バーバーでテストを行いました。その時はチーム・ペンスキーと一緒だったんですが、僕らの状態はあまり良くなかったんです。それで今回は対策を施したセッティングを持って来ていて、いろいろともっと深く試したかったんですが、雨に翻弄されちゃいましたね」
「ちょっとだけ走った感覚は悪くなく、いい方向性だろうとの期待があったので、走り込めなかったのは本当に残念。今週インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで行うテストで今回の続きをやります。そちらも実は雪の予報が出てるんですけど……」と琢磨は話していた。