102回目の開催を迎える世界三大レースのひとつインディ500。紡いできたその歴史を辿る
マイケル・アンドレッティがオーナーのアンドレッティ・オートスポートからエントリーしたダラーラ・ホンダで優勝した琢磨だったが、今シーズンに向けてはボビー・レイホールがオーナーのレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへと移籍。
インディ500優勝チームを離れるのは珍しいケースだが、より戦いやすい環境、より強いチームを求めての決断で、インディ史上6人目となる二連覇を狙っている。最後にそれが記録されたのは2001-2002年のカストロネベスだ。3連覇はいまだ達成されていない。
そのカストロネベスは、昨年限りでインディカーのレギュラー参戦ではなくなったものの、今年もインディ500にはスポットで参戦している。史上最多タイとなるインディ4勝目を目指してのことだ。4勝しているドライバーはAJ.フォイト、アル・アンサー、リック・メアーズの3人だけだ。
今年の出場マシンはダラーラ・ホンダとダラーラ・シボレー。2005~2011年はホンダが出場全車にエンジンを供給していたが、2012年にシボレーが復帰し、ロータスも参戦。
ロータスは2012年半ばにして撤退し、ホンダとシボレーの直接対決が今も続いている。シャシーは2012年からイタリアのダラーラによるワンメイクとなっている。
日本の自動車メーカーで最初にインディ500優勝を飾ったのは、2003年のトヨタだった。ドライバーはジル・ド・フェラン、シャシーはパノスだ。そのトヨタも2005年で撤退した。
2012年からのホンダとシボレーの2社対決ではシボレーが2勝、ホンダが4勝を挙げている。ホンダは2016年から2連勝中だ。
今年のエントリーで優勝経験を持つのは前述のカストロネベスと琢磨のほかにスコット・ディクソン、トニー・カナーン、ライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシがいる。この6人は今年も優勝候補に数えられる。
そして、彼らに挑み初勝利を狙えそうなのが、4回インディカー・チャンピオンになっているセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)、スピードウェイでの速さに定評があるマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート)、インディ500ポールポジションを2度獲得しているエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2014年チャンピオンでキャリア32勝のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シボレー)昨年度チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)といった面々だ。
チーム・ペンスキーは史上最多の16勝をインディ500で挙げており、2001年からは3連勝を記録してもいる。彼らは2015年のファン・パブロ・モントーヤ以来優勝がない。あのレースでチームメイトに0.1046秒差で敗れて2位フィニッシュしたのはパワーだった。
102回目のインディ500。アメリカンドリームを手に入れるのは果たしてどのドライバーか? 19、20日に予選、そして27日に決勝レースを迎える。