光明が見えた牧野と未だ戦えぬ福住。一方でマシンの信頼性に不満噴出/FIA F2イギリス
一方で、福住仁嶺は低迷している今シーズンの中でもワーストという週末になってしまった。
金曜の走り始めからマシンに違和感があり、それを拭い切れないまま走った予選はトップから2.092秒も離されて最下位の19位。GP3やスーパーフォーミュラで上位で戦える実績を残している福住がワンメイクでこれほどに差を付けられるとは考えにくく、チーム内でもさすがに「モノコックか何かが根本的におかしいんじゃないか」という声が出始めているという。
土曜のレース1でもフィーリングが掴みきれないままもがいていたというが、最後は電気系のトラブルで突然電源がシャットダウンしリタイアとなった。
「フリー走行の走り始めからクルマのフィーリングが僕が思っているのと全然違っていて、クルマのバランスがレッドブルリンクの時とは全然違ったんです。それが今日のレースでも変わっていませんでした」
「僕のあまり好きじゃないフィーリングだったので最初は戸惑っていて、ピットインしてタイヤをプライムに換えてから自分なりにプッシュしていましたけど、やっぱり明らかにクルマに何か足りない部分が響いていてレースペースも厳しいなと思っていたところで電気系のトラブルが出て、突然全てオフになってしまったんです」
そして最後尾グリッドから臨んだ日曜のレース2では、グリッドに向かうラップで冷却系に異常が出てしまい、グリッド上でメカニックが修復を試みたがスタートはできなかった。後で確認したところ、飛び石でラジエターに穴が空いていたという。
「今週はマトモにレースができていないし、すごくフラストレーションが溜まる。僕もこんなふうにシーズンを棒に振るのは嫌だし、キャリアの中で重要な1年を終わらせたくないです」
アーデンはDAMSからさらに新たにデータエンジニアを引き抜くなど体制強化を進めているが、エンジニアやメカニックの技量やチーム運営まで含めて客観的に見ると、もう何年もF2やGP3で低迷している理由が分かる。
それに加えてFIA F2のパドックで不満が噴出しているのが、エンジンとクラッチの問題だ。