WTCR第8戦:中国武漢戦はドイツ勢が制圧。アウディは表彰台独占、ヒュンダイは性能調整に苦しむ
翌7日にはノックアウト方式の予選とレース2、レース3が行われた。予選ではシェドン・フレデリック・バービッシュ(アウディRS3 LMS)、デニス・デュポン(アウディRS3 LMS)、ベルネイとアウディユーザーが上位を席巻。Q2のリバースグリッドとなるレース2ではベナーニがポールにつけた。
そのレース2ではスタートでベナーニとフロントロウのマ・キンファ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)を交わしたオーレリアン・コンテ(プジョー308 TCR)が抜け出していく。
3番手に後退したマ・キンファはオープニングラップでコースオフする場面があり、1周目を終えた時点でトップ10圏外までポジションを落としている。
トップのベナーニはレース終盤に向かうにつれてペースが鈍化。後方からコンテが追いつき、両者はテール・トゥ・ノーズの状態でファイナルラップを迎える。
その状態で迎えたバックストレート手前のシケインで、コンテはベナーニのリヤを押すような形で接触。これでバックストレートへの加速が鈍ったベナーニはポジションを奪われてしまう。
しかし、バックストレートエンドのシケインへのブレーキングで、コンテはマシンを止めきれずにオーバーシュート。ここでふたたびベナーニが順位を奪い返すと、そのままレース2を制してみせた。
最終レース3はシェドンがポールポジションを獲得。シェドンは直前に行われたレース2でバリアに衝突し、ステアリング周りを破損していたが、短いインターバル中にメカニックが修復作業を行い、グリッドの先頭に並んだ。
スタートで好発進を決めたシェドンは1コーナーへの飛び込みで後方から迫るデュポンにリヤをプッシュされたものの、マシンをコントロールしながら1コーナーを立ち上がっていく。
その後方ではコンテとベルネイのクラッシュにロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)などが巻き込まれ、コース上にマシンがストップ。車両回収のためにセーフティカーが導入される。
回収作業などを終えて、レースは9周目に再開。その翌周には2番手デュポンがトップのシェドンに襲いかかる。
シェドンの背後に迫ったデュポンはシケインへの飛び込みでタイヤスモークを上げながらハードブレーキ。しかし、これでマシンのコントロールを失ったのか、シケイン内側に飛び出すと、設置してあったタイヤバリアを弾き飛ばしながら、シェドンに衝突してしまう。
衝突されたシェドンはマシンにダメージを負いながらもポジションをキープした一方、デュポンは加速が鈍り、後方から迫っていたベルネイにオーバーテイクされてしまった。
またデュポンが弾き飛ばしたタイヤバリアがコース上に留まったため、これを回収するためにレース2回目のセーフティカーが導入。15周目にレースは再開された。
このリスタートでポジションを守ったシェドンは、後方からベルネイに追撃されながらも0.558秒差を守りきってトップチェッカー。自身初のWTCR優勝を飾ってみせた。
また3位にはデュポンが入り、アウディユーザーが表彰台を独占する結果となった。
前回の寧波ラウンドで圧倒的な強さを誇ったヒュンダイ勢はサクセスバラストの影響で苦戦。レース2とレース3でイバン・ミューラー(ヒュンダイi30N TCR)、テッド・ビョーク(ヒュンダイi30N TCR)が獲得した10位がベストリザルトと、上位争いに食い込むことができなかった。
中国連戦を終えた2018年のWTCRは残り2大会。次戦は10月27~28日に全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催される鈴鹿サーキットラウンドだ。