更新日: 2019.08.07 20:14
TCR EU第5戦:勝者失格の波乱で3位ダン・ロイドが初優勝。コロネルは連続表彰台
このアクシデントで先頭集団はさらに独走態勢となり、12周目にはロイドのシビックとアンドレアスのヒュンダイはマシンを連結したかの状態でバトルを展開。その2台を開幕勝者のパンチャティッチが3番手で静観し、漁夫の利を狙う状況となっていく。
そしてレースが残り2周となった14周目。コントロールラインを0.160秒差で1コーナーに向かった先頭2台は、そのまま並走してコーナーをクリアすると、ターン2、ターン3の攻防でアンドレアスが強引にドアをこじ開け、ついに首位奪還に成功。このバトルでワイドランとなり失速したシビックを、3番手だったパンチャティッチが続けてパスし、そのまま16周のフィニッシュラインへ。
アンドレアス・バックマンがシリーズ初のポール・トゥ・ウインを飾り、2位パンチャティッチ、3位ロイドの表彰台。そして4位コロネル、5位ジョシュ・ファイルズ(ヒュンダイi30 N TCR)のリザルト……となるかと思われたレースは、なんと再車検の結果、ターゲット・コンペティションのウイニングカーが「フロントエンドの最大幅1950mmを超えていた」として失格処分に。
さらに2位パンチャティッチにもオープニングの1コーナーでジェシカ・バックマンをスピンさせたインシデントに対し30秒のタイムペナルティが加算され10位にまで降格。これでロイドが意外な形でのヨーロッパ・シリーズ初勝利を手にし、2位にコロネル、3位ファイルズの正式結果となった。
続く日曜のレース2は前日の失格、降格処分の影響で「ラッキー」なリバースポールを獲得したWolf-Power Racingのアレックス・モーガン(セアト・クプラTCR)が、好機を逃さず16周のレースをしのぎきり、クプラにとっての今季シリーズ初優勝を飾ると同時に、自身にとってもTCRヨーロッパ初勝利を獲得。
その背後には前日同様2位にコロネル、3位ファイルズの表彰台となり、これでコロネルは2日連続で表彰台に登壇。そして元TCRドイツ2連覇王者のファイルズは、前戦で得たポイントリーダーの座をさらに磐石なものとし、2位のエングストラーに対し78ポイントもの大量リードを築いた。
これでTCRヨーロッパ・シリーズはサマーブレイクに突入し、残すは2戦。再開は9月21〜22日のスペイン・バルセロナでの1戦となる。
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