更新日: 2019.10.09 12:58
NASCAR第29戦:バリアへの激突から復活。シボレーのエリオットが逆転勝利
2019年のモンスターエナジーNASCARカップは9月29日、ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで第29戦が行われ、チェイス・エリオット(シボレー・カマロZL1)が優勝を飾った。
チャンピオン決定戦“プレーオフ”の第1ラウンド最終レースとなる第29戦。このレースを終えた時点でランキング下位4名がプレーオフから脱落し、第2ラウンドを争う12名が決まる。
そんな第29戦はシャーロット・モーター・スピードウェイのオーバルコースとロードコースを組み合わせた独特のレイアウト“ローバル”を舞台に、25周、25周、59周の3ステージ合計109周(248.52マイル:約400km)で争われた。
ステージ1は20周目に出されたイエローコーションが解除された23周目、左へ曲がるターン1で複数台が絡むクラッシュがあり、ふたたびイエローコーションが出される。
結局、このイエローコーションは25周目のステージ1フィニッシュまで解除されずにチェッカー。23周目のリスタートでラップリーダーだったウイリアム・バイロン(シボレー・カマロZL1)を交わしたカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)が制した。
続くステージ2もチェッカー直前の49周目に首位が入れ替わる展開となった。それまでトップを走っていたのはブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)だったが、その後方からよりフレッシュなタイヤを履くエリオットが猛追すると、ターン5~6でインを突いてオーバーテイク。そのままチェッカーとなった。
ステージ2を制したエリオットは最終ステージ3をトップでスタートしたが65周目の1コーナーでオーバーラン。タイヤバリアにノーズから激突してしまう。
ブレーキングしながらの衝突でマシンへのダメージは大きくなかったエリオットだが、これで上位争いからは後退を余儀なくされた。このアクシデントでイエローコーションが出された後、レースはケビン・ハービック(フォード・マスタング)を先頭に67周目にリスタートされている。
エリオットは、このクラッシュで優勝争いから脱落したかに思われたが、その後は徐々にポジションを挽回。レース終盤92周目を過ぎたころには4番手までポジションを上げた。
レース終盤には複数台が絡むクラッシュがあり、レースは一時赤旗中断。コースがクリアとなった104周目に再開されると、エリオットは2番手マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)を交わして2番手へ。その後はシケインで暫定首位だったハービックも交わしてトップへ返り咲くと、そのままチェッカーを受けた。
チェッカー後、自身が衝突したターン1先のバリアにマシンを当てながらバーンアウトしてみせたエリオットは「本当に信じられないミスをした。今日はなんて日だろう」とコメントした。
「僕がドライブしていたカマロZL1は驚くほどの速さだった。このマシンがなければポジションを挽回することはできなかったよ」
2位はアレックス・ボウマン(シボレー・カマロZL1)、3位はハービックが獲得。トヨタ勢は苦戦を強いられ、トゥルーエクスJr.の7位が最上位だった。
この第29戦を終えて、アリック・アルミローラ(フォード・マスタング)、ライアン・ニューマン(フォード・マスタング)、カート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)、そしてエリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)はプレーオフ第1ラウンド敗退が確定。
トヨタ陣営ではカイル・ブッシュ、トゥルーエクスJr.、デニー・ハムリンの3名がプレーオフ第2ラウンドへ臨む。
この週末はNASCARエクスフィニティ・シリーズ第28戦がシャーロットのロードコースで開催され、A.J.アルメンディンガー(シボレー・カマロ)が優勝。トヨタ・スープラのクリストファー・ベルはレース終盤にシケインカットのペナルティを受け、12位フィニッシュだった。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第30戦は10月6日、デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。