海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.11.14 15:12
更新日: 2019.11.14 17:59

第66回マカオGPが14日開幕。FIA F3マシンにあわせサーキット改修も残る怖さ


海外レース他 | 第66回マカオGPが14日開幕。FIA F3マシンにあわせサーキット改修も残る怖さ

 そしてFIA F3車両ならではの注目がドラッグ・リダクション・システム(DRS)。シーズン中も導入されてきたこの“追い越し促進装置”がマカオGPでも使用されるのかどうかは、海側に長い直線を持つギア・サーキットでは注目だった。

これについては“FIA-FORMULA 3 WORLD CUP 2019”の冠をいただいた第66回マカオGPのスポーティング・レギュレーションの中に、「30) GENERAL CAR REQUIREMENTS」という項目があり、その中の「30.4 Driver adjustable bodywork」と題した部分に“DRS”の使用も可能という規則が載っている。

 では、“DRS”の設置個所は? と知人であるHWAのトラック・エンジニアなどに聞くと、「マンダリン・オリエンタル・ベンドの立ち上がりからリスボア・ベンドまで」との回答。

実際に足を運んで調べると、たしかにマンダリン・オリエンタル・ベンドの立ち上がりに横断方向の白線とコース両脇に看板が設置されていた。そうでなくてもギア・サーキットは“トゥ(スリップストリーム)”の使い合いによる追い越しが頻繁に観られる。

 追い越しを促進する“DRS”の使用が可能となると面白さは倍増するかもとは思いながら、一方では怖さも感じてしまった。

第1コーナーを抜けて長い直線のあとに控える高速コーナー、マンダリン・オリエンタル・ベンド出口の先から設置される“DRS”ゾーンは、リスボア・ベンドのブレーキングまで続く。
第1コーナーを抜けて長い直線のあとに控える高速コーナー、マンダリン・オリエンタル・ベンド出口の先から設置される“DRS”ゾーンは、リスボア・ベンドのブレーキングまで続く。
マンダリン・オリエンタル・ベンドの高速右コーナー左側(外側)には、インディアナポリス・モータースピードウェイが先鞭をつけた“SAFER”バリアが新設された(写真左端)。
マンダリン・オリエンタル・ベンドの高速右コーナー左側(外側)には、インディアナポリス・モータースピードウェイが先鞭をつけた“SAFER”バリアが新設された(写真左端)。
リスボア・ベンドのエスケーブ・ゾーンから撮影。リスボア・ベンド進入部分の内側は、フェンスとガードレールがコース側へせり出して縁石との隙間が狭くなっている。
リスボア・ベンドのエスケーブ・ゾーンから撮影。リスボア・ベンド進入部分の内側は、フェンスとガードレールがコース側へせり出して縁石との隙間が狭くなっている。
上写真の拡大。ストレート・エンドは昨年までよりも絞り込まれて、明らかに狭さを感じる。エイペックスに設置されていた青い“ソーセージ”も取り除かれていた。
上写真の拡大。ストレート・エンドは昨年までよりも絞り込まれて、明らかに狭さを感じる。エイペックスに設置されていた青い“ソーセージ”も取り除かれていた。
リスボア・エンド外側の支柱とキャッチ・フェンス。支柱は明らかに高くなり、支柱の間隔も明らかに狭くなっている。写真には映っていないが支柱の根元部分も強固になっている。
リスボア・エンド外側の支柱とキャッチ・フェンス。支柱は明らかに高くなり、支柱の間隔も明らかに狭くなっている。写真には映っていないが支柱の根元部分も強固になっている。
リスボア・ベンドの立ち上がり、ガードレールのコース側には衝撃吸収材が新しく貼られていた。同じような安全装置はコースの各所で目に付いた。
リスボア・ベンドの立ち上がり、ガードレールのコース側には衝撃吸収材が新しく貼られていた。同じような安全装置はコースの各所で目に付いた。
サンフランシスコ・ベンドの外側はこれまでのタイヤ・バリアに代えて、“TECPRO”バリアが設置された。キャッチ・フェンスの存在もあって、以前とは様変わりしている。
サンフランシスコ・ベンドの外側はこれまでのタイヤ・バリアに代えて、“TECPRO”バリアが設置された。キャッチ・フェンスの存在もあって、以前とは様変わりしている。
サンフランシスコ・ベンドの“TECPRO”バリア。フィッシャーマンズ・ベンドなどにも採用されている。小さな体積でより高い安全性を発揮するので、空間に制限のある市街地コースでは重宝されている。
サンフランシスコ・ベンドの“TECPRO”バリア。フィッシャーマンズ・ベンドなどにも採用されている。小さな体積でより高い安全性を発揮するので、空間に制限のある市街地コースでは重宝されている。
サンフランシスコ・ヒルの登り坂を上がりきった先、マタニティ・ベンドへ向かう手前の左コーナー。手前に路面の“うねり”があって事故が頻発する個所としても有名である。
サンフランシスコ・ヒルの登り坂を上がりきった先、マタニティ・ベンドへ向かう手前の左コーナー。手前に路面の“うねり”があって事故が頻発する個所としても有名である。
マカオでは歴史のある東望洋酒店(ギア・ホテル)を左手に見て右コーナーをクリア。意外にもここでのクラッシュは少ない。宿泊客はホテル屋上からレースを観戦できる。
マカオでは歴史のある東望洋酒店(ギア・ホテル)を左手に見て右コーナーをクリア。意外にもここでのクラッシュは少ない。宿泊客はホテル屋上からレースを観戦できる。
ポリス・ベンドは低速コーナーとはいえコース幅が狭く視界が悪い。近年はGTレースなどで事故が多発、赤旗中断を発生させる鬼門として有名になってしまった。
ポリス・ベンドは低速コーナーとはいえコース幅が狭く視界が悪い。近年はGTレースなどで事故が多発、赤旗中断を発生させる鬼門として有名になってしまった。
ポリス・ベンド先のモーリッシュ・ベンドは右90度コーナー。1990年にここでミハエル・シューマッハーが先行車両を内側から追い越したなんて誰が信じられるだろう?
ポリス・ベンド先のモーリッシュ・ベンドは右90度コーナー。1990年にここでミハエル・シューマッハーが先行車両を内側から追い越したなんて誰が信じられるだろう?
基本的に追い越し禁止のポリス・ベンド。コーナーの立ち上がりには、リスボア・ベンドの立ち上がりと同様にコース側に衝撃吸収材が貼られていた。それでも、FIA-F3車両は曲がれるのか?
基本的に追い越し禁止のポリス・ベンド。コーナーの立ち上がりには、リスボア・ベンドの立ち上がりと同様にコース側に衝撃吸収材が貼られていた。それでも、FIA-F3車両は曲がれるのか?
フィッシャーマンズ・ベント手前の直線部分からその先のベンド立ち上がりにかけては、例年同様に路面が新しく舗装し直されていた。
フィッシャーマンズ・ベント手前の直線部分からその先のベンド立ち上がりにかけては、例年同様に路面が新しく舗装し直されていた。
フィッシャーマンズ・ベンド立ち上がりのフォトグラファーズ・バンカーは健在。ここにもガードレールのコース側には衝撃吸収材が見られる。
フィッシャーマンズ・ベンド立ち上がりのフォトグラファーズ・バンカーは健在。ここにもガードレールのコース側には衝撃吸収材が見られる。

■2019 第66回マカオグランプリ
FIA F3ワールドカップ エントリーリスト

No Driver Nat Team
2 マーカス・アームストロング NZL SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
3 ジェハン・ダルバラ IND SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
5 ロバート・シュワルツマン RUS SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
6 ユーリ・ビップス EST ハイテック・グランプリ
7 マックス・フュートレル GBR ハイテック・グランプリ
8 角田裕毅 JPN ハイテック・グランプリ
9 クリスチャン・ルンドガルド DNK ARTグランプリ
10 フェルディナント・ハプスブルク AUT ARTグランプリ
11 セバスチャン・フェルナンデス ESP ARTグランプリ
12 オリバー・キャルドウェル GBR トライデント・モータースポーツ
14 デイビッド・ベックマン DEU トライデント・モータースポーツ
15 TBA TBA トライデント・モータースポーツ
16 ジェイク・ヒューズ GBR HWAレースラボ
17 キーファン・アンドレス IRN HWAレースラボ
18 TBA TBA HWAレースラボ
19 ルーカス・ダナー AUT MPモータースポーツ
20 リアム・ローソン NZL MPモータースポーツ
21 TBA TBA MPモータースポーツ
22 TBA TBA イェンツァー・モータースポーツ
23 レオン・ホン-チオ MAC イェンツァー・モータースポーツ
24 アンドレアス・エストナー DEU イェンツァー・モータースポーツ
25 カラム・アイロット GBR ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
26 ダビド・シューマッハー DEU ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
27 エンツォ・フィッティパルディ ITA ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
28 ローガン・サージェント USA カーリン・バズ・レーシング
29 フェリペ・ドルゴビッチ BRA カーリン・バズ・レーシング
30 ダニエル・ティクトゥム GBR カーリン・バズ・レーシング
31 アレッシオ・デレーラ ITA カンポス・レーシング
32 TBA TBA カンポス・レーシング
33 TBA TBA カンポス・レーシング

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