更新日: 2021.04.30 15:44
1戦限りの2021年TCR NZは、ヘイデン・パッドンが勝利を飾るもタイトル獲得はならず
続く26周のレース2は、この上位3名がそのままポジションを守り抜いてレースを終え、ヴァン・デル・ドリフトが今度は0.535秒の僅差で2連勝を達成。一方、マシン修復を終えたパッドンは最後尾から4位まで巻き返してチェッカーを受けた。
これでロリンソンに対し16点差の選手権首位としてレース3に挑んだヴァン・デル・ドリフトだったが、この最終ヒートは序盤からアクシデント満載の荒れた展開となり、まずは”バサーストの英雄”マーフィーと”元ツーリングカー世界王者”のラディシッチが激しいコンタクトでサスペンションを損傷し、ともにリタイヤに。
そしてタイトル候補のロリンソンはヒュンダイi30 N TCRのヘッドガスケットが吹き飛び、まさかの戦線離脱。これでチャンピオンは確実かと思われたヴァン・デル・ドリフトのアウディにも異変が襲い、RS3 LMSのギアボックスは5速にスタックされた状態となってしまう。
しかし、マシンをゴールまで運んでポイント加算の可能性を目指したヴァン・デル・ドリフトは、ライバルを横目にスロー走行でトラックを周回。これにより、初戦をトラブルで失っていたパッドンが僚友ランズレーを引き連れて首位チェッカー。PRGがワン・ツーを達成し、からくも5位フィニッシュのヴァン・デル・ドリフトが199点を獲得して初代TCRニュージーランド王者の座に輝いた。
「最後のレースは本当にストレスフルな状況だったよ」と、まさかの展開にも冷静な対処でタイトルを手繰り寄せたヴァン・デル・ドリフト。
「ジーン(・ロリンソン)とのギャップを管理するだけだと念じていたが、橋を超えたところで5速から動かなくなった。無線ですぐに異変を伝えたけど、マシンを失速させないようにする以外、僕にできることはなかった。そこから最後の数分は、他に何も壊れないよう祈りながらゆっくり周回し続けたよ」とヴァン・デル・ドリフト。
この最終ヒートで3位表彰台を獲得したホンダ・シビックのミシェルズがランキング2位に浮上し、週末は表彰台のなかったサイムズが総合3位で初年度を終えている。