更新日: 2021.11.17 12:36
豪華ゲスト参戦の耐久戦はネストール・ジロラミ組シビックが制覇/TCRサウスアメリカ第6戦
現地土曜の16時からスタートした最大レース時間60分、ドライバー交代が義務付けられた40周の勝負は、スタートドライバーを担当したポールシッターのミラが、同じくSTC2000にも参戦中のサパーグを封じてホールショット。ルノースポール・カストロール・チームのフルーエンスGTから、FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRへの乗り換えにも見事に順応してみせる。
するとその後方からさらなるチャージを見せたのがジロラミのシビックで、オープニングラップ終盤にサパーグを捉えて2番手に上がると、その2周後にはミラも捕まえ、早くも首位浮上に成功する。
一方、12周目のターン3でワイドになるミスを犯したサパーグは5番手に後退。その直後の15周目にはドライバー交代のウインドウが開き、17周目にはサパーグからグエリエリへ、続くラップにはミラからロッソ、ライバからオリオラ、バプティスタからコロネルと、次々にピットへ飛び込んでくる。
この動きを横目に、ちょうどレース折り返しの20周まで引っ張ったジロラミは、レイスを首位でコースへと送り返すことに成功。これが決定打となり、母国アルゼンチンでTCRサウスアメリカ・シリーズ初優勝を挙げることとなった。
「金曜のレースシミュレーションが勝利のポイントになった。予選には焦点を合わせず、タイヤがなくなる限界を見極めたんだ。ここでタイヤの温度と劣化のデータを取得できたことが勝因だね」と、ゲスト側ながらスタートドライバーを担当したジロラミ。
「ラファエル(・レイス)が作戦を完遂するには、5秒のマージンが必要だった。予選位置よりレースペースが重要なことは明らかだったからね。そしてなにより、ブエノスアイレスでの勝利は格別だ。地元ファンの前で、WTCRと同じシビックに乗って勝つことができたなんてスペシャルだし、アルゼンチンのモータースポーツにとって新しい時代の幕開けだ」と続けたジロラミ。
「ホセ-マリア・ロペスに始まり、現在はエステバン(・グエリエリ)と僕、そして今季はTCRヨーロッパに参戦した弟のフランコなど、ここから多くの国際的ツーリングカー乗りの才能を送り出せている。アルゼンチンの若いドライバーに、この流れと勢いをフォローしてもらえたら最高だ」
4位のバプティスタ/コロネル組に続き、5位まで挽回したレイス/オリオラ組は、198点でオリオラが選手権トップに留まり、同190点でバプティスタ、182点でレイスが続くオーダーに。続くTCRサウスアメリカ第7戦は、12月4〜5日に同国のアウトドローモ・オスカー・ファン・カバレンで開催される。