更新日: 2023.08.30 12:42
今季5度目のポールからサットンが完勝。イングラムとTGRカローラのブッチャーも勝利/BTCC第8戦
そう語ったサットンだが、明けた日曜最初のヒートではスタートでホイールスピンを喫し、イングラム、コラードに先行される窮地に陥る。しかしオールドヘアピンでワイドになったカローラを仕留めると、続く2周目には同じ場所でヒョンデのインにダイブ。そこからは途中ファステストラップを更新する速さで快勝を飾ってみせた。
「路面がウエットだったオープニングヒートでは、クルマに過失はなかったし感触も素晴らしかった」と明かしたサットンだが、続くレース2ではイングラムの後塵を拝して2位、リバースグリッド採用の最終ヒートでは5位に留まるなど、クルマに一定の不安を抱えていたことも明かした。
「レース2ではブレーキペダルが長く掛かるという問題があった。プラクティスでダン(・カミッシュ)に何が起こったかを念頭に置いていたし、だからこそポイントを獲得することに集中していたが、レース3でも同様の問題が発生した」と続けるサットン。
「ブレーキが熱くなってしまっただけだが、とくに最終レースのような内容では厳しいね。すべてが始まりボディワークを失うほどあちこちで人々が衝突するなか、トラブルを避けようとする場合に対処したいことではないよ」
その最終ヒートは、リバースポール発進を決めていたロイドのクプラが、ライバルたちが後方でポジションを争い肉弾戦を繰り広げるなか、レース序盤で先頭からリードを維持。ここまで2戦連続表彰台と奮起していたジェイク・ヒル(レーザーツール・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)がシケインでイン側タイヤバリアを吹き飛ばした際にも、セーフティカー先導のもとポジションを守り抜く。
しかしファイナルラップのマクリーンズを通過した際、クプラのドライブシャフトが折れ急激に安定性を失うと、コピスに向かう上りでスピンオフ。この結果、5番手からアダム・モーガン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)やアーロン-テイラー・スミス(カーストーン・パワー・マックスド・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)をかわしてきたTOYOTA GAZOO Racing UKのブッチャーが、混沌としたレースを制して逆転のシーズン初勝利を挙げた。
「僕らはこんな展開について冗談を言っていたんだ。『以前にも、これをやったことがあるね』って。何度でも歓迎だし、勝利を得ずにドニントンを離れるつもりはなかったよ」と喜びを語ったブッチャー。
「これこそ、僕らが基本に立ち返って得たチームワークだ。リッキー(・コラード)の今の走りを見られてとてもうれしいし、ジョージ(・ギャンブル)も同様に躍進を遂げようとしている。それはこれまでに経験したことのないもので、僕らはデータを共有し、本当にオープンで、お互いを擁護しフォローする。 それは素晴らしい環境だよ!」
残り2戦となったBTCC第9戦は、9月24~26日にシルバーストンで争われる。