クルマニュース

投稿日: 2009.10.06 00:00
更新日: 2018.02.15 15:42

【アウディジャパン】アウディ、より多くの廃熱を有効利用してCO2排出量を削減


noimage

2009年10月5日
Audi PR-09-112
インゴルシュタット発、2009年9月29日

アウディ、より多くの廃熱を有効利用してCO2排出量を削減

● インゴルシュタット市の公共事業会社、及びペトロプラス社との共同契約により、アウディは年間約26,000トンのCO2排出量を削減見込み
● アウディ製造担当取締役フランク ドレヴェス:「この契約は、当社の総合的な効率化戦略の重要な要素」

 新たな廃熱利用に関する契約書が署名されました。アウディの製造担当取締役フランク ドレヴェス、インゴルシュタット市のアルフレッド レーマン市長、ペトロプラス製油所のゲルハルト フィッシャー、インゴルシュタット廃棄物利用工場(Zweckverband Müllverwertungsanlage Ingolstadt)のゲルハルト メイヤー、フォルクスワーゲン クラフトヴェルク社(Volkswagen Kraftwerk GmbH:フィルクスワーゲン発電所)のライムント ヴンダー、シュタットヴェルケ インゴルシュタット(Stadtwerke Ingolstadt:インゴルシュタット市の公共事業会社)のフーベルト ストックマイアーは、バイエルン州の環境・健康省大臣であるDr. マルクス スーダーの出席の下、画期的な契約書に署名しました。2011年度より、インゴルシュタット市の電力を供給する市営企業であるシュタットヴェルケ インゴルシュタットは、アウディへ供給する廃熱量を年間約120,000MWhへと増加させます。これによりアウディ単独で年間26,000トンのCO2排出量が削減される見込みです。

 この契約は、気候保護に関するインゴルシュタットのエネルギー連合に向けた重要な最初のステップとなります。アウディ以外でも、インゴルシュタット市の他の工場が、ペトロプラス社(本社:スイス)のインゴルシュタット製油所ならびに将来的にはインゴルシュタット廃棄物利用工場から排出される環境にやさしい廃熱を利用する予定です。

 アウディの製造担当取締役フランク ドレヴェスは、今回の契約について次のように述べています。「この契約は、当社の総合的な効率化戦略の重要な要素であり、持続可能な操業の基本的なステップとなるものです。」さらに、ドレヴェスは次のように続けています。「廃熱を利用することが環境に良いことは明白です。この契約は、将来的に年間の廃熱利用量を120,000 MWhから200,000 MWhに引き上げ、アウディ工場におけるCO2排出量を45,000トン削減するという当社の共通目標に添ったものです。」さらに、特筆に値する事実として、アウディは2003年以降、自動車生産量が約10%増加し、工場面積も約15%増えたにもかかわらず、使用するエネルギー量は一定レベルを保っています。

 アウディ工場の必要熱量は現在、年間約410,000 MWhです。既存の契約条件では、シュタットヴェルケ インゴルシュタットは60,000 MWhの廃熱をアウディに供給することになっています。100,000 MWhは、アウディの発電・暖房・冷房トリジェネレーション自社工場から供給されます。残りの必要熱量は、天然ガス燃焼ボイラーを使用することによって賄われています。「新しい廃熱契約によって、従来の天然ガスによる発熱から、より好ましい廃熱とトリジェネレーションによる熱の利用に重点を移すことになります」と、ドレヴェスは述べています。アウディは、廃熱利用を可能にするために約600万ユーロを投資しています。

 インゴルシュタット市のDr.アルフレッド レーマン市長は、主要な熱消費者であるアウディの協力により、天然ガスの消費抑制とCO2排出量削減に関する重要なステップを踏み出したことを賞賛しています。「この契約は、リソースの適切かつ創造的な利用の好例です。このことは、事業拠点としてのインゴルシュタットの魅力をより一層強化することにも貢献しています。」
ペトロプラス社のゲルハルト フィッシャーは、次のように述べています。「我々は未来への大きなステップを踏み出すと同時に、地域の環境保護に対して重要な貢献をしています。このエネルギー連合は、エネルギー消費量の低さに関してヨーロッパでもトップ10に入るペトロプラス製油所が、その立場をさらに向上することを可能にします。」

 現在、既に412の顧客に廃熱を供給しているシュタットヴェルケ インゴルシュタットは、今回の契約において重要な役割を果たしています。供給ネットワークと施設の拡大に必要となる費用は約2,300万ユーロです。

 シュタットヴェルケ インゴルシュタット のフーベルト シュトックマイアーは、今回の契約が成立した場合、地元の企業に優先権が与えられることを強調しました。「我々はインゴルシュタット市と住民との間に強固な関係を築いています。地域の電力会社として、我々は安全と環境にやさしいエネルギーの供給に責任を持つばかりでなく、経済面に対する責任も持っているのです。」

 2010年に廃熱の供給を開始するために、送電に関してはペトロプラス社から既存の温水ネットワークまで、5,300mの廃熱ラインの建設を開始する予定です。この作業と平行してペトロプラス社も、廃熱を抽出するために必要な施設の建設を開始します。また、ドイツの技術検査機関TÜVが2011年の第1四半期に検査を実施するまでの間に、従来は使用されていなかった廃熱をシュタットヴェルケ インゴルシュタットで利用可能にするために、製油所の処理工場に熱交換器が設置されます。シュタットヴェルケ インゴルシュタットは、新しい予備ボイラーを設置すると共に、発熱ブロック工場とポンプステーションの改修を行ないます。同時に、廃棄物利用工場では、プロセス制御を最適化することによって、発熱量を単独で約20%増加させる予定です。拡張された廃熱ネットワークの試運転は、2011年の4月~5月に予定されています。

 今回のインゴルシュタットのエネルギー連合の設立は、バイエルン州環境省が2006年12月に実施した調査に基づいています。この調査では、インゴルシュタット市における廃熱の有効利用の数々の可能性が指摘されました。「今回の新しい廃熱利用契約はこの方向性に沿った最初のステップであり、今後他にも追随する例が増えるでしょう」と、シュタットヴェルケ インゴルシュタットのフーベルト ストックマイアーは述べています。


関連のニュース