更新日: 2018.02.15 20:14
【Honda】塚越広大選手がフォーミュラ・ニッポン初表彰台を2位で飾る
塚越広大選手がフォーミュラ・ニッポン初表彰台を2位で飾る
5月23日(日)、栃木県・ツインリンクもてぎにおいて、2010年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦の決勝レースが開催された。
開幕戦の鈴鹿ラウンドを制し、幸先のいいスタートを切った#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)にとって、今回のツインリンクもてぎは、昨シーズンの第3戦でポール・トゥ・ウインを飾り、第6戦でもポールポジションを獲得するなど相性がいいサーキットである。
また、地元栃木出身でフォーミュラ・ニッポン2年目を迎えた#10 塚越広大選手(HFDP RACING)も、昨年の第3戦もてぎで優勝争いを演じており、同じく栃木出身でルーキーの#31 山本尚貴選手(NAKAJIMA RACING)とともに、もてぎラウンドでの活躍に注目が集まった。
22日(土)に行われた公式予選は晴天に恵まれ、気温28.9℃、路面温度47.9℃のドライ・コンディションで行われた。公式予選は計3回のノックアウト方式で行われ、第1セッションに挑む出場全14台中、上位11台が次のセッションへ進み、さらに上位8台が最終セッションで決勝グリッドを争う形式となる。
第1セッションでは、小暮選手が1分34秒307のトップタイムを記録。昨年のディフェンディング・チャンピオンの#1 ロイック・デュバル選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、塚越選手、山本選手、#2 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が第2セッションへ駒を進めた。#16 井出有治選手(MOTUL TEAM 無限)は、13番手の決勝グリッドが決定した。
第2セッションでは、タイムアタック残り約5分のところで全車一斉にコースイン。塚越選手がトップタイムとなる1分34秒144を叩き出し、L.デュバル選手、小暮選手とともに最終セッションへ駒を進めた。山本選手は9番手、伊沢選手は11番手の決勝グリッドとなった。
10分間のインターバルを経て行われた最終セッションでは、1分33秒986のタイムを記録した小暮選手が3番手グリッドを獲得。L.デュバル選手と塚越選手は、4、5番グリッドから決勝を迎えることとなった。
23日(日)に行われた決勝レースは、午後から降り始めた雨が徐々に強まり、完全なレイン・コンディションでの戦いとなった。午後2時34分、1周のフォーメーションラップののち、全14台でスタートした。
オープニングラップでは3番手スタートの小暮選手と5番手スタートの塚越選手、9番手スタートの山本選手の3選手が好スタートを切り、それぞれ2-3-5位に順位を上げた。L.デュバル選手はスタート順位と同じ4位、井出選手が10位を走行。伊沢選手は90度コーナー立ち上がりで他車と接触してスピンを喫した。再スタートを切ったものの、フロントウイングを損傷したためにピットインをし、13番手でコースに復帰した。
レースは序盤、激しい雨により順位が激しく入れ替わる展開となった。3周目、2番手を走行していた小暮選手が1コーナーでマシン・バランスを崩してコースアウト。すぐに復帰したが、ポジションを6位に下げてしまった。これにより塚越選手が2番手、L.デュバル選手が3番手、山本選手が4番手に順位を上げた。4周目、4番手を走行していた山本選手がオーバーランを喫し、その後、5周目の5コーナーでスピンを喫したために7番手へ順位を下げた。
14周目、2番手の塚越選手とトップの差は13秒。次周には、それまで1分50秒台だったラップタイムを1分49秒台に縮めた。
22周目での順位は、塚越選手が2番手、L.デュバル選手が4番手、山本選手が6番手、小暮選手が9番手、井出選手が11番手、伊沢選手が12番手となっている。24周目、6番手を走る山本選手がピットインを敢行。タイヤ交換を行わず、給油のみを行い、約30秒後にコースイン。今大会の規定では、決勝レースでのタイヤ交換は義務付けされていないため、タイヤと燃料が最後まで保つ場合、チームの判断によってはノーピット作戦も採用できる。
レース後半に入っても雨は降り続け、路面がフルウエット状態になったため、各ドライバーはマシンコントロールに苦しんだ。26周目、4番手を走るL.デュバル選手が2コーナーでバランスを崩してコースアウト。ポジションを1つ落としてコースに復帰した。32周目、6番手を走行するマシンがコースアウトをしたために、小暮選手が7番手に順位を上げる。
33周目、2番手を走行する塚越選手がトップグループの中で最初にピットイン。タイヤ交換を行わずに約17秒のピット作業を経て、暫定5番手でコースに復帰した。これを受けて、中盤争いを繰り広げるチームも続々とピットインを敢行し、各チームもタイヤ交換を行わない作戦を選択した。41周目、L.デュバル選手が上位選手で最後のピットインを敢行し、4番手でコースに復帰した。
レース終盤、塚越選手は後方選手から猛追を受けたものの、約2秒半あるタイム差を堅守し、フォーミュラ・ニッポンでの初表彰台となる2位でチェッカーフラッグを受けた。
そのほかのHonda勢は、L.デュバル選手が4位、山本選手が5位、小暮選手が6位入賞を果たし、井出選手が9位、伊沢選手が11位に入り、完走11台の激しいサバイバルレースにおいて全台完走を果たした。
レースは、ポール・トゥ・ウインを飾った#19 J.P.デ・オリベイラ選手(トヨタ)が今季初優勝を飾っている。この結果、シリーズポイント争いのドライバー部門で小暮選手はトップと5ポイント差の2位、塚越選手は4位につけている。
コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR10E」開発責任者
「難しい天候の中、塚越選手が初の表彰台に上がったことをうれしく思っていますが、全体の結果には満足していません。私たちは今回のレースに向けてエンジン・マッピングをやり直すなど、様々な角度から準備を進めていました。なので、ポールポジションとのタイム差や、決勝でトップと塚越選手が1ラップあたりコンマ8秒の差があったことについては、まだまだ改善の余地があると感じています。次は高速サーキットの富士スピードウェイですので、今日の結果をしっかり分析し、長いホームストレートでトップスピードを発揮できるようエンジンを仕上げ、レースに挑みたいと思います。次戦も応援よろしくお願いいたします」
塚越広大選手(2位 #10 HFDP RACING)
「昨年は表彰台に立てそうで、なかなか立つことができませんでした。昨日の予選でも第2セッションでトップタイムを出しながら、最終セッションを僅差で負けてしまうなど、悔しい思いをしていましたので、決勝では表彰台に上がることができてうれしく思っています。今日は昨日とコンディションが変わって雨のレースとなりましたが、今年も雨のテストでいい結果が出ていましたので、チャンスはあると思っていました。スタートは本当に集中できていましたし、いいスタートを切って2台抜いて前に出ることができました。2番手になってからは、トップをプッシュする展開が続き、レース終盤は後方からマシンが迫っていました。楽な展開ではありませんでしたが、初めての表彰台に上がることができて大変うれしいです。また、地元ということで他のサーキットよりも多くの方が応援に来てくれました。今回はレースの前に小学校と養護施設を訪問したのですが、その際に会ったみんなが自分にメダルを作ってくれ、それを表彰台に持っていくことを約束していましたので、その言葉通りになって本当によかったと思っています。次戦も表彰台に上がった今日の勢いのまま挑みたいと思います」