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投稿日: 2009.08.02 00:00
更新日: 2018.02.23 10:41

【Honda】IRL第12戦ライアン・ブリスコーが接戦を制す武藤英紀は13位


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ライアン・ブリスコーが接戦を制す
武藤英紀は13位

2009年8月1日(土)
決勝
会場:ケンタッキー・スピードウェイ(全長1.5マイル)
天候:曇り
気温:23〜24℃

2009年のIRLインディカー・シリーズ第12戦はケンタッキー・スピードウェイでの300マイルレースで、オーバルコースでのレースは6月下旬に行われた第8戦リッチモンド以来となった。予選は、前日までの雨の影響でコースへ水が染み出し続けたために中止され、出走23台のスターティング・グリッドはエントラントポイント・ランキングによって決定された。

レースは夜の8時半過ぎ、曇り空の下でスタート。雨の心配もされたが、幸いにも予定通り200周でレースは争われた。

今戦から新しい空力ルールが採用され、マシンのダウンフォースは増加。レースではこれまで以上に接近戦が可能となると見られていた。同時に、新たに装備されたオーバーテイクボタン“Hondaボタン”によって、順位変動の激しい、抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられることも期待されていたが、レースはそうした期待に見事に応えるエキサイティングなものとなった。

ポールポジションからスタートしたポイントリーダーのスコット・ディクソン(Target Chip Ganassi Racing)はトラフィックの中でのハンドリングが完ぺきでなく後退。トップの座は3番手スタートだったライアン・ブリスコー(Team Penske)の手に渡り、157周目を迎えたところではエド・カーペンター(Vision Racing)がトップに立った。14番手スタートだったカーペンターは、1周目にして11位までポジションを大きく上げ、1回目のピットストップを迎える前に4位まで浮上。目覚しい走りをさらに続けてトップにまで駆け上がった。

最後のピットストップも終えたレース終盤、トップ争いは依然としてカーペンターがリード。2位争いを繰り広げるドライバーたちの中からトニー・カナーン(Andretti Green Racing)が抜け出してカーペンターへのアタックを始め、そのすぐ後ろにはブリスコーが肉迫した。

ブリスコーは128周目のリスタートでアウトにマシンが流れてしまい、クラッシュはギリギリで避けたものの8位まで大きく後退していた。しかし、そこからトップ争いまで巻き返し、残り9周、ついにブリスコーはカーペンターのアウト側へとマシンを並べた。この後の2人はサイド・バイ・サイドのままゴールまで戦い続けた。カーペンターは初勝利をかけて全力を出しきり、クリーンに戦い抜いた。しかし、ウイナーとなったのはアウト側を走り続けたブリスコーだった。2人のゴールでの差は僅かに0.0162秒差しかなかった。ケンタッキー・スピードウェイでの最少差、インディカー・シリーズでは歴代11位に入る僅差でのゴールであった。

惜しくも敗れたカーペンターだったが、2位はキャリアベストとなった。3位はカナーン、4位はエリオ・カストロネベス(Team Penske)のものとなった。

ポイント2位のダリオ・フランキッティ(Target Chip Ganassi Racing)が6位、ディクソンも7位と振るわなかったため、今季2勝目、キャリア4勝目を挙げたブリスコーがポイントランキングのトップに立ち、ディクソンは8点差のランキング2位、フランキッティはトップから11点差のランキング3位へとそれぞれ後退した。

ピットでの小さなトラブルを除いてアクシデントが発生せず、フルコースコーションが1回しか出されなかったレースは、ケンタッキー・スピードウェイでの新記録となり、インディカー・シリーズの歴代2位となる平均時速200.893マイルという超ハイスピードでゴールまで突き進んだ。

武藤英紀(Andretti Green Racing)は11番手スタートから13位でゴールした。ハンドリングはいいが、スピードが出ないマシンでの苦戦となったためだ。

コメント

ライアン・ブリスコー(優勝)
「私が勝てたなんて信じられない。走っていて本当に楽しい、エキサイティングなレースだった。今日は危ういシーンも2度あったが、何とかコントロールしきって、そこからトップまで返り咲くことができた。新しい空力ルールによってマシンは安定感を増していた」

エド・カーペンター(2位)
「マシンは最高で、走っていてとても楽しかった。優勝できなかったのはとても悔しいが、Team Penskeを相手にあと少しで勝てるレースを戦うことができた。これは我々のような新しいチームにとっては優勝と同じぐらいに大きな価値があると感じている」

トニー・カナーン(3位)
「我々にとって今夜の結果は最高のものとなった。今シーズンはフィニッシュまで走れていないレースが多いだけに、3位という結果は本当にうれしい。表彰台に上るのは4月以来で、まるで数カ月間のオフをとっていたように感じたぐらいだった。シーズン終盤に向け、我々は今日、いい再スタートを切ることができたということだと思う」

武藤英紀(13位)
「全開にしてもスピードが伸びず、前を走るマシンのドラフティングに入って行けない状態でした。遅いクルマは抜くことができていましたから、マシンのセッティング自体がおかしかったのではないと思います。チームメートたちと比べても自分のマシンはダウンフォースを少し小さくしていたので、スピードが出ないはずはありませんでした。次のオーバルレースであるシカゴランドには、今回とは違うシャシーを投入することも考えています」

ロジャー・グリフィス|HPD レース・チームマネジャー
「スタートからゴールまでエキサイティングなバトルが続く、これこそインディカーというレースになった。今日はトップ交代も多かったが、トップだけでなく、すべてのポジションが激しく争われ続けていた。IRLが今回から導入した空力のルールは、見事に狙い通りの効果を発揮したといえる。我々Hondaが今回のレースから提供を始めた“Hondaボタン”(=オーバーテイク用ボタン)も同じくレースをエキサイティングにしていたのではないかと思う。ドライバーたちがHondaボタンの使い方を完全にマスターするまでには、まだ少しの時間がかかるだろう。どのような使い方がベストなのか、そうした新しい話題を提供できたという点でもHondaボタンの導入は正しかったと考えている」


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