更新日: 2018.02.23 10:46
【Honda】IRL第15戦シカゴランド予選 ポイントリーダーのブリスコーがポールポジション獲得
インディカー・シリーズ第15戦シカゴランド予選
ポイントリーダーのライアン・ブリスコーがポールポジション獲得
武藤英紀は予選13位
2009年8月28日(金)
予選
会場:シカゴランド・スピードウェイ(全長1.52マイル)
天候:曇り
気温:22℃
2009年シーズンも残すところ3戦となったIRLインディカー・シリーズは、8月28日、イリノイ州シカゴ郊外のジョリエットにある全長1.52マイルのオーバル、シカゴランド・スピードウェイで第15戦の予選を開催し、ライアン・ブリスコー(Team Penske)がポールポジションを獲得した。
灰色の雲が空に覆い被さり、今にも雨が降り出してきそうだったが、予選は午後2時前にスタートした。10台が走ったところで小雨のために一旦予選は中断されたが、幸いにも雨がそこから強くなることはなく予選は再開された。そして、時折日差しが雲の間から差し込む中、エントリーしている23台全員が予選アタックを完了して決勝のスターティンググリッドが決定した。
インディカー・シリーズのオーバルコースでの予選は、1台ずつが4周連続で走り、その合計タイムを競うタイムトライアル方式だ。今日の予選では3番目にコースインしたトニー・カナーン(Andretti Green Racing)がしばらくトップを保っていたが、ポイントランキングで2番手につけているダリオ・フランキッティ(Target Chip Ganassi Racing)が11番目のアタッカーとして走り、カナーンをトップの座から弾き出した。
そのフランキッティも、エリオ・カストロネベス(Team Penske)によってトップを奪われ、さらにその後、カストロネベスのチームメート、現在のポイントリーダーであるブリスコーがトップへと躍り出た。ブリスコーは今季4度目、昨年に続く2年連続、そしてキャリア8度目となるポールポジションを獲得。ブリスコーの予選タイムは1分41秒6327で、カストロネベスのタイムは1分41秒7090だった。全長1.52マイルのコースを4周も走りながら、ポールポジションと予選2位を分けたタイム差は0.0773秒と極めてわずかだった。
第14戦、第15戦のロードレース連戦で連続して5位フィニッシュを記録した武藤英紀(Andretti Green Racing)は、その勢いを保ってシカゴランドでも予選上位を目指していた。しかし、プラクティスの段階からマシンが本調子ではなく、予選順位は13位となった。武藤は走る距離を短くしてタイムを稼ごうと、予選の4周すべてでコース内側の白線ギリギリを走った。しかし武藤は、ハンドリングが良好でありながらも、スピードが伸びないマシンセッティングに悩まされた。
ライアン・ブリスコー(ポールポジション)
「予選アタックには満足している。昨年よりターン3のバンプが大きくなっているように感じたけれど、マシンのハンドリングはプラクティスのときからとてもよく、予選でも最高のものになっていた。それに、今日はチームメートのカストロネベスが先に走ってアンダーステアが出ていたとレポートしてくれたので、我々はセッティングを調整して予選に臨むことができ、それがポールポジション獲得につながったと思う。明日のレースでも我々は優勝を争う走りができるはずだ。チャンピオン争いは接戦になっているので、ポールポジションのボーナスとして1点を稼げたのもうれしい」
エリオ・カストロネベス(2番手)
「シカゴランド・スピードウェイは私が大好きなコースの1つだ。最後尾からスタートして優勝できた昨年のすばらしいレースは、今でもよく覚えている。今年からナイトレースになったのも私としては大歓迎。多くのファンが来てくれるに違いない。今日はポールポジションを取れなかったけれど、私からトップの座を奪ったのはブリスコーだった。チームメート同士でフロントローを独占できたのだから、2位でもうれしく思う。我々にチームオーダーはないので、明日はライアンとも思う存分に戦う。もちろん優勝を目指して戦うつもりだ」
ダリオ・フランキッティ(3番手)
「予選ではドライバーの仕事より、その前にチームがどれだけいいマシンを作り上げるか、エンジニアがどれだけ多くの要素を検討して正しいセッティングを考え出してくれるかが重要となる。Target Chip Ganassi Racingは、その両方の点で本当に高い能力を発揮してくれている。私のマシンのハンドリングは、プラクティスでも予選でも非常にバランスがよかった。ケンタッキーでの第12戦から導入されている新しい空力のルールも手伝って、決勝は激しい接近戦になると思う」
武藤英紀(13番手)
「マシンの仕上がり自体はよく、ハンドリングには手応えを感じていますが、スピードが遅いという状態です。予選に向けてはダウンフォースを削ることでスピードを稼ごうと、チームメートよりダウンフォースを小さくしましたが、それでもスピードは伸びなかった。予選アタックではコースのイン側ギリギリを走ってみました。自分としてはもう少しアウト側を走りたかったのですが、我々のマシンがどういう部分で悪いのかを見つけようという考えもあってのことです。スピードが伸びない原因はまだ分かっていませんが、レースをあきらめたわけではないので、集団走行の中でもコンスタントに走れるマシンを作って決勝に臨みたいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPDレース・チームマネジャー
「今朝サーキットに来たときには雨が降っており、予選がキャンセルになる可能性は十分にあった。今にも雨が降り出しそうな中で予選は始まり、途中で中断もされた。しかし、幸運にも走行不能なほどの雨にならずに全員が予選アタックを行うことができた。そして、非常に僅差でブリスコーがポールポジションを獲得し、チームメートのカストロネベスが予選2位となった。実に見応えのある予選になっていたと思う。
今の予報だと、明日のレースは好天下で行われそうだ。今日のように湿度が高いと空気が重くスピードは出にくい。明日のレースが乾燥した空気の中で行われるとしたら、スピードの伸び具合が違ってくるので、今日とは違うギア比を選ばなくてはならない。空力のセッティングも当然変わる。今年からシカゴランドのレースはナイトレースになっているので、気温が一気に下がる可能性もあり、各チームともレース用のマシンセッティングをどうするかでは大いに頭を悩ませるだろう。決勝がどのようなものになるのか、とても楽しみだ」