更新日: 2018.02.17 00:37
アウディ、過去最高の燃費を武器にル・マンを闘う
Audi Japan Press Center
2014/06/10
Audi、過去最高の燃費性能を武器に2014年のル・マンを闘う
新型Audi R18 e-tron quattroはこれまでで最も優れた燃費性能を発揮
アウディは、これまでにない厳しい課題に直面しながら今年のル・マンに臨む
6月6日 インゴルシュタット: アウディは1999年以来、革新的な技術を採用してル・マン24時間レースに参戦し続けています。そして今年のマシンは、これまでのAudi R18 e-tron quattroの中で最も軽量かつ、高い燃費性能を実現しました。大会レギュレーションにより、他の参加車比で最大30%の低燃費化が求められるという厳しい状況にあっても、アウディは6月14-15日に開催されるル・マン24時間レースで、13回目の総合優勝獲得に向けて、最大限努力します。
アウディは、ウルトラ テクノロジーを駆使し、優れた燃費性能を実現し続けています。2001年から採用のTFSI(直噴ガソリン)エンジンは、ル・マンでの燃費を格段に向上させ、その成果は市販モデルに反映されました。2006年からセンセーショナルなTDI(直噴ディーゼル)エンジンを採用し、5回の総合優勝を獲得しています。そして2012年に登場したディーゼル ハイブリッドモデルのAudi R18 e-tron quattroは、ル・マン不敗記録を更新しています。今年2014年から、レギュレーションによる燃費規制のクリアが大きな課題となりました。抜本的に書き換えられた新しいレギュレーションは、最大30%におよぶ大幅な燃費性能向上を求めていますが、これにより優れた燃費性能のマシンに、より多くの負担がかかっています。
アウディはこの課題を克服するために2014年モデルを根本からまったく新しくしました。パワートレインは、誕生から25年目となるアウディTDIエンジンが、今年は4リッターV6ユニットとなりました。このエンジン単体でも優れた燃費性能を持っていますが、エアロダイナミクスなど他の部分と連繋することで、さらなる低燃費を実現します。ちなみに2006年にAudi R10 TDIに搭載された5.5リッターV12エンジンと比較すると、レース中の平均燃費がおよそ40%も向上しています。また新型マシンには、驚異的な視認性を生み出す独創的な技術アウディ レーザーライトを含む、革新的な技術が数多く搭載されています。
燃費に関して具体的には、今年のル・マンでAudi R18 e-tron quattroが消費できるエネルギーは、1ラップあたり138.7メガジュールとなります。これは、ガソリンエンジンを使用するトヨタやポルシェのエンジンに対し、100km走行あたり6.16リッターも少ない燃料しか使えないことを意味します。セフティカーピリオドの時間が短かった2012年のケースをベースに、トップ車両が24時間で378ラップすると考えると、Audi R18 e-tron quattroは、ガソリンエンジン搭載車より317.52リッターも少ない燃料で走らなければなりません。
多くの状況が重なり合い、ル・マンはますます厳しくなっています。複雑なルールの数々が、多くのテクニカルコンセプトを生み出しました。使用出来る燃料の量、ピットストップのインターバル、燃料タンク容量などをコントロールすることで、レギュレーションは“技術的な均衡”を図っています。
AUDI AGの技術開発担当取締役 Prof. Dr. ウルリッヒ ハッケンベルクは「アウディは今年、これまでにない厳しいタスクに直面しながらル・マンに臨んでいます。新しいレギュレーションにより、これまでTDIエンジンが持っていた燃費のアドバンテージはすべて失われました。しかし、我々は自らが持つ技術力の高さをアピールすることをやめません。強く団結したチームが見せる、これまで以上に完璧な仕事が、ル・マンに打ち勝つことでしょう」とコメントしています。
今年のゼッケン1号車のAudi R18 e-tron quattroは、昨年の優勝者であるロイック デュバル(フランス)、トム クリステンセン(デンマーク)の2人と、ルーカス ディ グラッシ(ブラジル)のトリオがドライブします。ゼッケン2号車は、2011年および2012年に獲得した栄光を再び手にしようと意気込むマルセル ファスラー / アンドレ ロッテラー / ブノワ トレルイエ(スイス/ドイツ/フランス)がドライブ。そしてゼッケン3号車は、ル・マン初出場のフィリップ アルバカーキー(ポルトガル)が、ル・マン表彰台獲得経験者のマルコ ボナノミ(イタリア)、オリバー ジャービス(イギリス)とトリオを組んでドライブします。
アウディは、ドライバーとともにパワフルでバランスの取れたチームが一丸となり、通算12回のル・マン総合優勝を獲得しました。しかし、アウディ16回目の挑戦となる今年のル・マン24時間レースは、これまでになく厳しい課題に挑戦することになります。6月1日に行われた公式テストを経て、アウディは完璧な事前準備を整えています。第82回ル・マン24時間レースが始まる6月14日の15時、その経験と実力を駆使してレース展開を描くアウディが必要とするものは運だけです。レースの模様は、ユーロスポーツが24時間連続で放映します。また、www.audi-motorsport.comでは、Audi R18 e-tron quattroのコクピットの模様のほか、多様なテレメトリー データをご覧いただけます。