ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.03.19 00:00
更新日: 2018.02.16 07:59

アウディ、10回目のセブリング勝利を祝う


2012/03/19
世界耐久選手権開幕戦で、アウディが1-2フィニッシュを達成
モータースポーツ プレスリリースNo.004
世界耐久選手権開幕戦で、アウディが1-2フィニッシュを達成
【WEC第1戦:セブリング(アメリカ合衆国)】
□\tカペロ/クリステンセン/マクニッシュ組が、2位に4ラップもの大差を付けて優勝
□\t最後のレースでAudi R18 TDIが大成功を収める
□\tセブリング12時間レースでアウディは通算10回目の優勝を獲得

 Audi R18 TDIの最後の活躍で、アウディはFIA世界耐久選手権(WEC)で素晴らしいスタートを切ることが出来ました。アメリカ合衆国フロリダ州で開催されたセブリング12時間レースで、リナルド カペロ/トム クリステンセン/アラン マクニッシュ組が優勝を飾り、アウディは同レース通算10回目の総合優勝を獲得しました。さらに新契約ドライバー、ロイック デュバルがチームメイトのティモ ベルンハルトとロメイン デュマスらと共に2位になり、アウディは1-2フィニッシュを達成しました。

 コーションピリオドによるレース中断が合計11回も行われるという最後まで気の抜けない展開のために、ゼッケン2号車で出場したカペロ/クリステンセン/マクニッシュ組は優勝に向けてハードワークを強いられました。彼らのライバルは、同じチームのゼッケン3号車でした。3号車は、最初の10時間は常に彼らの数秒後ろにピタリとつけて追走していました。セフティカーが何度も2台の間隔を狭めていたものの、ベルンハルト/デュマス/デュバル組はレース終了間近で他のマシンとの接触に見舞われ、4ラップの遅れを出してしまいました。

 それと同時に、アウディ スポーツ チーム ヨーストは、完璧な戦略で他チームの競争相手を窮地に追い込んでいました。先頭を走っていた2台のAudi R18 TDIにチームは交互にピットストップを実施し、最大のライバルであるHPDホンダに対して常に1ラップのアドバンテージを維持していました。63台ものエントリーがあったために、コース上は常に混んでいて数多くのアクシデントが発生していましたが、ドライバー達の素晴らしい働きのおかげで、優勝したAudi R18 TDIは一度もボディにダメージを受けることなくレースを走り切りました。

 60周年を迎えたセブリング12時間レースでのアウディの勝利は、単に通算10回目というだけでない記録も打ち立てました。優勝記録保持者のトム クリステンセンは、自身の優勝記録を6回に伸ばし、リナルド カペロは5回目、アラン マクニッシュは4回目の優勝を記録しました。この3人のチームは、前回のアウディ優勝を勝ち取ったトリオでもあります。

 アウディ3台目のマシンも、トップクラスでレースを終える可能性を充分に持っていました。アウディに新生FIA世界耐久選手権で最初のポールポジション獲得者のタイトルをもたらしたアンドレ ロッテラーは、チームメイトのブノワ トレルイエ、マルセル ファスラーと共に、優勝したゼッケン2号車の最強のライバルでした。しかし6時間弱が経過した時、ゼッケン1号車は17ラップものロスを喫してしまったのです。突然、トランスミッションの電子式シフトチェンジユニットに不具合が発生し、チームは予定外の整備を余儀なくされました。その結果、昨年のルマン優勝トリオは総合16位、LMP1クラス5位の成績でレースを終えました。

 FIA会長のジャン トッド氏も見守るセブリングの地でAudi R18 TDIが有終の美を飾る間に、メディアとアウディ オブ アメリカのゲストは、未来を垣間見る機会に恵まれました。レース開催の一方で、アウディは、5月5日にスパ(ベルギー)で開催されるWEC第2戦から参戦する新しいAudi R18 e-tron quattroとAudi R18 ultraを公開したからです。

【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ウォルフガング ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
セブリングで10回目のポールポジションを獲得し、その後10回目の優勝を成し遂げたことは、まさに素晴らしい出来事だ。私達にとっては、今年のレースシーズンとFIA世界耐久選手権の双方で素晴らしいスタートを切れたと思っている。我々が持ち込んだ3台のマシンは、どれもまったく同じペースで走っていた。その結果、1-2フィニッシュを達成出来たのだと考えている。残念ながら3台目のマシンに小さな不具合が起きてしまったために、1-2-3フィニッシュの達成はかなわなかった。しかし、チーム全員は今回の結果を誇らしく思っている。

ラルフ ユットナー(アウディ スポーツ チーム ヨーストのテクニカルディレクター)
非常に激しいレースだった。ライバル達もとても強力だった。ライバル達との差はわずかなものでしかなく、度重なるコーションピリオドのせいでいつ逆転されてもおかしくなかった。最後に彼らに問題に見舞われたというだけのことで、レース開始からの11時間は、我々にとって非常に厳しい時間だった。リナルド(カペロ)、トム(クリステンセン)、アラン(マクニッシュ)の3人は良くやってくれた。幸いなことに、彼らは3人ともマシンの走らせ方を熟知していて、安心して任せることが出来た。他の2台のマシンのドライバー達にも良くやってくれたと言いたい。彼らは皆、まったく同じレベルにいた。しかし、ゼッケン1号車がシフトトラブルを起こしたことは恥ずかしく感じている。修復にかなり本格的な整備を必要としたために、優勝のチャンスを逃してしまった。ゼッケン3号車も複数のコーションピリオドのために多少の不運に見舞われ、我々は戦略を変更して臨む必要があった。それも逆に考えれば、レース序盤のイエローフラッグによって得をしたとも言える。最終的に接触事故があったものの2位でゴールすることが出来た。そして私は、冬の間に数多くの仕事をしてくれたメカニック達にも感謝している。その結果、WEC開幕戦を優勝で飾れたのだから! これでチーム全体の士気が向上したと思っている。

リナルド カペロ (Audi R18 TDI ゼッケン2号車)
アラン(マクニッシュ)とトム(クリステンセン)と私にとっては、この3年間待ち焦がれた勝利だった。優勝に向けた素晴らしい好機を得られたと思っている。Audi R18 TDIがセブリングでレースをするのは初めてだったことも考えると、とても見事な成功だったと思う。63台ものマシンが走る中でレースをし、マシンを無傷のまま保つのはとても大変なことだった。昨年のレースで多くを学んだおかげで、今年は多くのマシンが走る中でも無傷でレースが出来ることをみせることが出来た。

トム クリステンセン (Audi R18 TDI ゼッケン2号車)
アウディ スポーツ チーム ヨーストは素晴らしい仕事をしてくれた。僕らのAudi R18 TDIのセットアップは最高だった。僕らは、チームメイト達と激しいバトルを繰り広げていた。それだけでなく、HPDホンダとレベリオン トヨタのマシンも長い間僕らを追い続けていた。僕らが持っていられたアドバンテージはわずかでしかなかったし、そのアドバンテージも度重なるコーションピリオドによって簡単に失われてしまった。マシンは快調に走ってくれたけれど、コース上の混雑は本当に酷かったし、僕が長い間コクピットに納まっていた正午前後の気温はとても高かった。ここで優勝するのは本当に大変なことだ。チームそしてアウディの人間はすべて今回の優勝を誇りに思って欲しい。60周年記念でありWEC開幕のレースでもあった今回を優勝で飾れたことは素晴らしいことだ。しかし、僕らはすでに、開発チームが再び多くのベネフィットを提供すべく創り出してくれたマシン“ハイブリッド車"で闘う次のレースを見据えている。

アラン マクニッシュ (Audi R18 TDI ゼッケン2号車)
私はチームを誇りに思っている。今回の優勝のために、とても多くの努力をしてくれた。エンジニアやメカニック達と共に、トム(クリステンセン)とリナルド(カペロ)と私は多くの時間を割いてマシンのセットアップを行った。そのおかげで、今日は最高のレースマシンを得られたのだと思っている。マシンは本当に速かったし、レースの最初から終わりまで高い戦闘力を維持することが出来た。新しい世界選手権を優勝でスタートするなんて、最高の始まり方だと思う。

【WEC第1戦:セブリングの結果】

1. カペロ/クリステンセン/マクニッシュ (Audi R18 TDI) 325ラップ
2. ベルンハルト/デュマス/ロッケンフェラー (Audi R18 TDI) – 4 Laps
3. ポトリッチオ/ダルジエル/サラザン (HPD-Honda – 6 Laps
4. タッカー/ブショット/バルボーサ (HPD-Honda) – 6 Laps
5. ニコレット/ラハーエ/プラ\t(Morgan-Judd) – 7 Laps


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