ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.09.01 00:00
更新日: 2018.02.15 21:59

アウディR15、満を持して新シリーズILMCに参戦


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Audi R15 TDIがワールドツアーに向けて船出

● 新たなワールドワイドスポーツカーレースシリーズに参戦
● 革新的ドライブコンセプトが注目されるカテゴリー
● アウディスポーツ チームヨーストが2台体制で参戦

革新的ドライブコンセプト、最先端技術、そしてより高い燃費効率が求められる新しいワールドワイドなレースが、9月12日のシルバーストーン戦から始まります。新しく始まるインターコンチネンタル ルマンカップ(ILMC)は、アウディが持つ革新的ディーゼルエンジンスポーツカーにワールドワイドな活躍の場を提供してくれます。

アウディが今年9回目の総合優勝を飾ったルマン24時間レースは2011年にアメリカ大陸、アジア、ヨーロッパで合計7大会の開催が予定されているインターコンチネンタル スポーツカーシリーズの中心的存在に位置づけられるようになります。この体制によってレース主催者のACOは、1953年から1984年にかけて開催され、当時はF1よりも人気が高かったという世界選手権の伝統を継承しようと考えています。

2010年は、3大陸で3レースを開催

初年度となる2010年は、シルバーストーン(イギリス)の1000kmレース、ロードアトランタ(アメリカ)の1000マイル“プチ ルマン”レース、そして珠海(シュカイ、中国)での6時間耐久レースの3大会が開催されます。それら3大会すべてに対し、アウディスポーツ チームヨーストは、今年のルマンで優勝したのと同じR15 TDIの2台体制で臨みます。

「アウディは1999年からスポーツプロトタイプレースに参戦を続けており、このカテゴリーに対して新しいビジョンをずっと提言し続けてきた。そしてACOがついに、我々の提言を現実のものとしてくれた。今回から始まるインターコンチネンタル ルマンカップは、我々が非常に重要視しているマーケットでプロトタイプカーによるレースを展開させてくれる。」と、アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング ウルリッヒはコメントしています。

アウディは、スポーツプロトタイプでのレースを、将来の市販車に貢献できる最先端技術やドライブコンセプトを試す非常に良いカテゴリーだと考えて参戦を続けています。そして2001年にはターボチャージャーと直噴エンジンを組み合わせた技術(TFSI)で成功を収めました。また2006年にはディーゼルエンジン搭載車両(TDI)でルマン24時間レースの総合優勝を獲得し、世界中にセンセーショナルな衝撃を与えました。そして現行のAudi R15 TDIには、可変タービンジオメトリー技術(VTG)が搭載されているほか、デイタイム用のLEDヘッドライト、システム全体の電圧を高く維持するリチウムイオンバッテリーなども搭載され、テストされています。

より高い燃費効率への要求が増大

「2011年に施行されるACOの新しいレギュレーションを見ると、高い剛性と耐久性を持ちながらより軽量なボディ、エネルギー回生システム、そしてより燃費効率の良いエンジンの重要性が、これまで以上に高くなると考えられる。そしてこれらの要素は、アウディの市販車両の開発陣が非常に深く研究しているポイントでもある。アウディは非常に燃費が良いことで知られているが、

このことをスポーツプロトタイプカーがサーキットでデモンストレーションするという相乗効果が期待出来るのだ」とDr. ウルリッヒはコメントしています。

ダウンフォースを増大させるエアロダイナミクス

2011年シーズンに向けて、アウディはプロジェクトネーム“R18”の名で新しいLMP1車輌の開発を続けていますが、2010年のインターコンチネンタル ルマンカップに向けては、先の6月に開催されたルマン24時間レースで歴史上最速の24時間を記録したAudi R15 TDIで出場することとしました。シルバーストーン、ロードアトランタ、珠海の各サーキットに向けて、より多くのダウンフォースを得られるエアロダイナミクスが採用されます。この点を除き、シリーズに参戦するマシンはルマン24時間レース出場時のスペックと変更はありません。

「我々は、シルバーストーンのレースにおいて何をすべきか全て分かっている。すべてのレースで、我々の目指すゴールは明白だ。3大会すべてにおける優勝を目指し、それを獲得することでアウディのブランドを高めることが目標なのだ」とDr. ウルリッヒはコメントしています。

クリステンセン/マクニッシュ組が参戦

アウディスポーツ チームヨーストは、実績豊かなドライバー陣でレースに臨みます。ルマン24時間レースで過去8回の優勝経験を持つトム クリステンセン(デンマーク)とアラン マクニッシュ(スコットランド)のコンビが、2010年のインターコンチネンタル ルマンカップの全3大会に参戦します。

29回の総合優勝とコースレコードによりアメリカンルマンシリーズで最も成功したドライバーであるリナルド カペロ(イタリア)もまた、3大会すべてに出場します。彼はシルバーストーン大会ではティモ ベルンハルト(ドイツ)と、ロードアトランタ大会ではトム クリステンセン/アラン マクニッシュ組と、そして最終戦の珠海ではロメイン デュマ(フランス)と組んで出場します。さらにロードアトランタでは、マルセル ファスラー(スイス)、アンドレ ロッテラー(ドイツ)、ブノワ トレルイエ(フランス)組も出場します。

来年のルマンにドライバーラインナップを継承

Dr. ウルリッヒは来年のルマンにも同じラインナップのドライバーで望むことについて「これまで我々のチームでレースを戦った経験が少ないドライバーと経験豊かなドライバーとの一体感を強化するためにインターコンチネンタル ルマンカップを戦い、同じドライバーで2011年のルマン24時間に望むことでより良い結果を出すのが狙いです」と説明しています。

初体験サーキットは1ヶ所のみ

2010年のインターコンチネンタル ルマンカップ開催サーキットのうち2ヶ所は、アウディにとっては充分な経験がある場所です。アウディは、シルバーストーンにおいて2008年にリナルド カペロ/アラン マクニッシュ組の駆るAudi R10 TDIで表彰台を獲得しています。またロードアトランタの“プチ ルマン”では2000年から2008年の間に9回連続優勝を達成しています。アウディスポーツ チームヨーストにとって、珠海(中国)だけが初の体験となります。

チームは今回のシリーズについても、これまで同様にボッシュ、ダウ、マーレ、ミシュラン、タグホイヤーとのパートナーシップを維持して戦います。

2010年インターコンチネンタル ルマンカップのドライバーラインナップは以下の通り

9月12日 シルバーストーン(イギリス) 1000kmレース
 ゼッケン7番 トム クリステンセン(デンマーク)/アラン マクニッシュ(イギリス)
 ゼッケン8番 ティモ ベルンハルト(ドイツ)/リナルド カペロ(イタリア)

10月2日 ロードアトランタ(アメリカ) プチ ルマンレース
 ゼッケン7番 リナルド カペロ/トム クリステンセン/アラン マクニッシュ
 ゼッケン9番 マルセル ファスラー(スイス)/アンドレ ロッテラー(ドイツ)/ブノワ トレルイエ(フランス)

11月7日 珠海(中国) 6時間耐久レース
 ゼッケン7番 トム クリステンセン/アラン マクニッシュ
 ゼッケン8番 リナルド カペロ/ロメイン デュマ(フランス)


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