F1ニュース

投稿日: 2011.02.23 00:00
更新日: 2018.02.16 01:05

ピレリ首脳「タイヤの構造には非常に満足」


各チームがさまざまなコンディションでピレリタイヤをテスト

2011年2月21日、バルセロナ
サーキット・デ・カタルニアにおいて4日間にわたり行なわれたバルセロナ・テストでの総走行距離は18,000kmを超え、全12のF1チームが今季使用するピレリPZeroタイヤについて情報を収集しました。

このサーキットは年間を通じて温暖な気候であるため頻繁にテストが行われていますが、今回の金曜から月曜までのテストでは気温は比較的低い状態で、夜間に度々雨が降ったため翌朝にはコースが湿っていました。このようなコンディションではタイヤラバーはコース上に載りにくい状況となってしまいます。

このような天気はグランプリシーズンを通じての典型的な天候とはいえないものでしたが、それによりチームはスーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードの各レンジのテストを行なうことができました。また、インターミディエイトをテストする機会もあり、3チームが40周以上走行することができました。このテストでピレリは開発計画に基づきスーパーソフトとソフトの改良版を持ち込みました。

PZeroタイヤは今季のレース戦略を決める上で重要なアイテムとなります。今回のテストでも各チームは事前に指定したコンパウンド毎のタイヤを最大30セット使用することができました。従って全チーム合わせて最大360セットのタイヤを使用することができたことになります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「公式テストも今年既に11日を数え、各チームともタイヤについてより多く理解してくれたと思います。そして、我々も各チームから更なるデータを収集することができました。バルセロナでは多くのチームがロングランテストを行っていました。このテストはレースディスタンスを走行する際のタイヤの配分や、レース戦略のアイデアを与えてくれました。気温は我々が望んでいたレベルではありませんでした。通常、レース開始時の気温は最低でも15℃以上となるのですが実際は朝の気温は6℃にしかなりませんでした。その結果、以前にもっと暖かいコンディションのバルセロナで行なったときのテストデータといくつか整合しない特性がありました。今シーズン、興味を集めるオーバーテイクのチャンスを増やす中心的な役割を担うのはタイヤであるということは皆が認めるところでしょう。バルセロナは特に左前のタイヤに多くの負荷がかかるサーキットで、私はタイヤ構造の完全性に非常に満足しています」

金曜日と土曜日に夜通し降った雨により、チームはインターミディエイトタイヤで走る最初の機会を得ましたが、このタイヤの持つ高い耐久性と適応性はポジティブな評価を得ています。また、徐々に乾いていく路面は、インターミディエイトからスリックへの切り替えポイントを確かめるうえで非常に役立ちました。

レッドブルのドライバーで現世界チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルがバルセロナ・テストの最初の2日間ともにトップタイムを刻みました。日曜日はメルセデスのニコ・ロズベルグが、月曜日はフェラーリのフェリペ・マッサがトップとなりました。今回のテストを通じての最も速いラップタイムはマッサが最終日の月曜に記録した1分22秒625です。

テスト初日の金曜日に12チーム合計で851周、3,961.40kmを走り込みました。土曜日には1,121周、5,218.25kmを、日曜日は1,106周、5,148.43kmを走行し、最終日は923周、4,296.56kmを走行しています。

気温が6℃から19℃の間で推移したサーキット・デ・カタルニアを、各チームはピレリタイヤを装着し、4日間で延べ4,001周、18,624.65km走りました。これ以前に2010年の8月以降、トヨタTF109を使用したピレリのプライベートテストで18,000km、今年の合同テストで25,437km(バレンシアで10,865km、ヘレスで14,572km)のテストを行っています。更に昨年のアブダビグランプリの後にピレリPZeroを初めてテストする機会となった2日間のテストでも11,000kmを走行しています。

これにより、ピレリは総計で75,000kmに近い距離をテストしてきたことになります。これはグランプリレース250戦分に相等するものです。