更新日: 2018.02.16 04:15
フルモデルチェンジのポルシェ911カレラを初公開
2011年フランクフルトモーターショーでワールドプレミア
ニューポルシェ911カレラ:伝統と現代の融合
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)はフルモデルチェンジを果たしたニュー911カレラS、911カレラのワールドプレミアを9月13日に開催されるフランクフルト モーターショーのプレスデイにて行います。
その誕生から48年が経過したにも関わらず、かつてないほどの若々しさを漲らせるポルシェ911カレラは、スポーツカーの象徴といえるモデルです。フラットで広がりのあるシルエット、見る人の心を揺さぶる各部のライン、精緻にデザインされたディテールにより、ひと目見ただけで911と分かる点はこれまでと変わっていません。また、従来の911と同様、ポルシェならではのスポーティなデザインは、力強さと優雅さを共にアピールする仕上がりです。
ホイールベースが100mm延長されたことと、全高が低くなったうえに20インチのホイールを装着できる点が、外観のスポーツカーらしさを支える大きな要因になっています。また、ボディサイズは、スポーツカーならではのコンパクトなサイズを維持しています。フロントビューで印象的なのは、911のトレードマークでもある大きなアーチを描くフェンダーです。拡大されたフロントトレッドがこのフェンダーによって強調されているため、ニュー911カレラの路面をとらえるスタンスは、よりしっかりしたものになっています。また、新しくなったドアミラーは、その取り付け位置が従来のミラートライアングルからドアの上端部へと移動されています。これは、エアロダイナミクス上のメリットをもたらすだけではなく、新たなボディラインと視覚的なワイド感を強調する効果もあります。
一新された軽量ボディは、アルミ二ウムとスチールを組み合わせたインテリジェント構造のボディです。この新しいボディは剛性を高めながら、最大45kgという大幅な軽量化に貢献しています。可変式リアスポイラーをワイドにするなど、エアロダイナミクス特性の最適化を図ったことにより、ニュー911カレラは揚力がいちだんと小さくなっていますが、Cd値は0.29という素晴らしい水準を維持しています。
現代的なデザインのエクステリアにマッチするよう、ポルシェのデザイナー達はポルシェ カレラGTのデザインをモチーフにしたインテリアを創り出しました。シフトレバー/セレクターレバーは、フロントに向かってせり上がるセンターコンソールに位置していることからその操作位置は高く、レーシングマシンと同様にステアリングホイールとの距離が近くなっています。これによりドライバーは、コックピットとの一体化をより強く感じることができます。また、インテリアにもポルシェならではの要素を目にすることができます。高精細度のマルチファンクションディスプレイやメータパネルの中央にレイアウトされたレブカウンター、そしてステアリングホイールの左側に設けられたイグニッションなどです。
従来と同様、ニュー911カレラおよびカレラSもパフォーマンスと効率性のレベルをさらに押し上げ、このクラスのスタンダードを打ち立てています。どのモデルも走行距離100kmあたりの燃料消費量は10リッターを大幅に下回っています。先代モデルと比較した場合、燃料消費量とエミッション排出量は最大16%の低下を実現していますが、これは、オートスタート/ストップ機能、熱管理システム、エネルギー回生機能、世界初の7速マニュアルトランスミッション、さらにはコースト走行機能(ポルシェ・ドッペルクップルング仕様車)などを採用したことによるものです。新しい電気機械式のパワーステアリングは、ポルシェならではの精度とフィードバックを誇るだけでなく、効率性の向上と燃料消費量の削減にも寄与します。
最高出力350 PS(257 kW)の新型3.4リッターボクサーエンジンを搭載する911カレラ(PDK仕様車)の場合、新欧州ドライビングサイクル(NEDC)に基づく燃料消費量は8.2リッター/100kmです。これは先代モデルの燃料消費量を1.6リッター下回る値です。また、CO2排出量は194g/kmを達成。ポルシェのスポーツカーとしては初めて200g/kmを切ることに成功しました。一方、最高出力400PS(294 kW)の3.8リッターボクサーエンジンを搭載するカレラS(PDK仕様車)は、先代モデルに比べて出力が15PSアップしているにもかかわらず、走行距離100kmあたりの燃料消費量をわずか8.7リッターに抑えています。これは先代モデルの燃料消費量を1.5リッター下回る値(-14%)です。この結果、走行距離1kmあたりのCO2排出量も205gに抑えられています。
いずれのモデルもパフォーマンスが改善されています。PDK仕様車のカレラSは、0-100km/h加速において4.3秒のタイムをマーク。 オプションのスポーツクロノパッケージを装備してSport Plusボタンを押した場合、このタイムは4.1秒にまで短縮されます。また、PDK仕様車のカレラは、この0-100km/h加速において4.6秒(Sport Plusの場合4.4秒)をマークしています。
ニュー911は前後方向のダイナミクスだけでなく、横方向のダイナミクスについても、前例がないほどの極めて高いパフォーマンスを発揮します。高い俊敏性、精緻な走り、優れた走行安定性は、ホイールベースの延長だけでなく、ワイド化されたフロントトレッド、新たなリアアクスル、および新型電気機械式パワーステアリングなどによるものです。このほかにも、ドライビングダイナミクスをさらに強化するアクティブ制御システムが、各モデルに標準装備またはオプション装備として用意されています。例えば、アクティブ制御のロール抑制システムであるポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)が911カレラSに初めて装着されます。このシステムはコーナリング中に横方向の傾きを抑え、タイヤが的確に路面をとらえられるようにするため、前後方向により大きな力を伝えることが可能になります。これによってコーナリング速度を最大限に高められることから、サーキット走行ではラップタイムを縮めることができます。
今回のニューモデルにおいても、パフォーマンスと効率性や、スポーツ性と日常の利便性といった相反する特性が、従来のポルシェ911をいちだんと上回るレベルで融合されています。これが新しい911カレラをかつてないほど911らしく見せている所以です。
ニューポルシェ911カレラは、2011 IAAフランクフルトモーターショーでワールドプレミアを果たします。