スーパーGTニュース

投稿日: 2011.02.04 00:00
更新日: 2018.02.16 00:50

ホンダ、2011年モータースポーツ活動の概要を発表


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2011年Hondaモータースポーツ活動の概要

 Hondaは、2011年のモータースポーツ活動の概要として、「モータースポーツ参戦体制」と、「モータースポーツの普及」について、以下の通り発表しました。

1.モータースポーツ参戦体制
 Hondaは、チャレンジングスピリットの象徴であるモータースポーツ活動に対し、創業当時から世界の頂点を目指して様々なレースカテゴリーに挑戦してきました。Hondaは、これまでに培ったノウハウとチャレンジングスピリットを持って、それぞれのカテゴリーでより多くのお客様の期待に応え、喜んでいただけるモータースポーツ活動を展開します。

○四輪のモータースポーツ活動
 国内では昨年、SUPER GT GT500クラスにおいて、ドライバーズチャンピオンとチームチャンピオンのダブルタイトルを獲得した“HSV-010 GT”を投入し、今年も5チーム5台体制で戦います。2011年モデルはさらに運動性能を向上させることで戦闘力を高め、2年連続のダブルタイトル獲得に挑みます。
 フォーミュラ・ニッポンでは、3.4L V8エンジン“HR10E”を、4チーム6台に供給します。燃焼効率をさらに高め、高出力と低燃費を両立させたエンジンを供給し、Hondaエンジン搭載チームの、ドライバーズチャンピオンとチームチャンピオンのダブルタイトル奪還に向けた体制で挑みます。
 北米地域においては、2003年よりホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)を通じ、インディカー・シリーズにエンジンを供給しています。2006年からはシリーズ唯一のエンジンサプライヤーとして、今年も100%エタノール燃料のV8エンジン“HI11R”を、全チームに供給します。インディカー・シリーズに参戦する日本人ドライバーとしては、昨年に引き続き佐藤琢磨が「ケーブイ・レーシング・テクノロジー ロータス」から参戦します。
 また、アメリカン・ル・マン・シリーズにおいては、HPDが量産エンジンをベースに新開発した2.8L V6ツインターボエンジンを供給します。さらに、欧州のル・マン・シリーズやル・マン24時間耐久レースには、同エンジンを搭載した“ARX-01d”を供給します。

2.モータースポーツの普及
 Hondaは、モータースポーツの普及に向けた取り組みとして、ロードレース世界選手権(WGP)をはじめとする世界格式のレースから、家族で気軽に楽しんでいただける各種イベントまで、幅広い層にモータースポーツの魅力を伝えることを目的に様々な活動を展開しています。本年も引き続き、より身近に参加・体験できるモータースポーツの普及活動に積極的に取り組んでまいります。

○モビリティランドでの世界最高峰レースの開催
 (株)モビリティランドは今年で創立50周年を迎えます。今後もレースの開催や「見て、遊んで、体感する」場と機会の創出に積極的に取り組み、日本のモータースポーツ文化のさらなる発展に寄与してまいります。
 ツインリンクもてぎでは「ロードレース世界選手権シリーズ」「トライアル世界選手権シリーズ」を開催。また、鈴鹿サーキットでは、これまでの「世界耐久選手権シリーズ(EWC)」「F1世界選手権シリーズ」に加え、今年から新たに「世界ツーリングカー選手権シリーズ(WTCC)」を開催してまいります。
 これからも二輪、四輪それぞれの最高峰レースをはじめ、国内外の様々なモータースポーツを観戦し、体感していただく機会を提供してまいります。

○Enjoy Honda 2011
 Hondaの二輪・四輪・汎用製品を「みて」「あそんで」「体感できる」ことを目的としたファンへの感謝イベント「Enjoy Honda」を引き続き開催いたします。鈴鹿サーキットでは、鈴鹿2&4(MFJ全日本ロード選手権シリーズ第2戦とフォーミュラ・ニッポン第1戦)、ツインリンクもてぎではフォーミュラ・ニッポン第5戦で、それぞれ併催します。
 当日はHonda二輪・四輪・汎用製品の展示、親子バイク教室、ASIMOのデモンストレーションライブ、森のクラフト教室など※3を開催します。
※3 開催内容は会場によって異なります。詳しくはEnjoy Honda公式サイト(http://www.honda.co.jp/enjoyhonda/)でご確認ください

○Hondaエコ マイレッジ チャレンジ
 Hondaは、環境にスポットを当て創造力と自由な発想、技術を結集した手作りのマシンにより、1Lの燃料で何km走行できるかを競う「Hondaエコ マイレッジ チャレンジ」を、1981年から開催してまいりました。今年で31回目となるこの大会に、これまでに1万1,966チームが参加しました。ものづくりの楽しさやガソリンという限りある資源の大切さを考える場として、中学生から社会人まで幅広い世代に参加いただいております。
 さらにこの大会は、日本国内だけでなくこれまでタイ、中国、ベトナムなどでも開催しており、国際的なモータースポーツ普及活動を目指してまいります。10月に行われる栃木県・ツインリンクもてぎでの全国大会では、これら海外地域からのチームも参加し、燃費の限界に挑むと同時に、地球環境保全への意識を高める機会として広く社会に認知されています。

○Honda “Enjoy Kids Rider”
 このイベントは、子どもたちを対象としたプログラムで、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎの遊戯施設で人気の高い「ピンキーバイク」と「キッズバイク」を活用しています。幼少期から乗り物に接する場を提供することで、より多くの子どもたちにモビリティーを身近に感じるとともに楽しさを体感していただくことを目的としています。昨年からは、より多くの子どもたちに体験していただくため、鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎ以外に、全国の特設会場で「Honda “Enjoy Kids Rider”」を展開しています。昨年は全国5ヵ所の会場で計8回開催し、合計2,821名の子どもたちに参加いただきました。
 今年も5会場で、引き続き元WGPライダーの中野真矢さんをキャラバン隊キャプテンに起用し、各地で開催することで、より豊かなモビリティー文化の発展に繋げてまいります。

《四輪参戦体制概要》

◆SUPER GT
 昨年、GT500クラスにおいてドライバーズチャンピオンとチームチャンピオンのダブルタイトルを獲得した“HSV-010 GT”を投入し、今年も5チーム5台体制で戦います。また、今シーズンも「Honda GTプロジェクト」として、(株)M-TECと(株)童夢の協力のもと、(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンターが主体となってマシンを開発し、2年連続となるドライバーとチームのダブルタイトル獲得を目指します。
 昨年までインディカー・シリーズに参戦していた武藤英紀、ならびに昨年全日本F3選手権(F3) Nクラスでチャンピオンを獲得した小林崇志の両名が、「オートバックス・レーシング・チーム・アグリ」よりSUPER GTに参戦します。

◆全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
 (株)日本レースプロモーションを通じ、3.4L V8エンジンの“HR10E”を4チーム6台に供給し、ドライバーズチャンピオン、チームチャンピオンのダブルタイトル獲得に向けた体制で挑みます。昨年、全日本F3選手権 Nクラスでチャンピオンを獲得した小林崇志が「リアル レーシング」から、英国F3選手権に参戦していた中嶋大祐が「ナカジマ レーシング」から、それぞれステップアップしフォーミュラ・ニッポンに初参戦します。

◆人材の育成:Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)
 国内外で活躍する有能な若手ドライバーの発掘・育成を目的に、人材育成プログラム「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開しています。2010年、全日本F3選手権 Nクラスで、チャンピオンを獲得した小林崇志はフォーミュラ・ニッポンに、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)で活躍した野尻智紀はF3に、それぞれステップアップして参戦します。

<全日本F3選手権シリーズ>
 今シーズンは、全日本F3選手権シリーズ(F3)に参戦する2名のドライバーをサポートしています。

<フォーミュラチャレンジ・ジャパン>
「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」を目的に、自動車メーカー3社※6が協力して設立した、ジュニア・フォーミュラレース「フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)」に引き続き協力していくとともに、スカラシップとして4名のドライバーの参戦をサポートします。
※6 FCJは2006年より、Honda、Toyota、Nissanの自動車メーカー3社が協力して創設した新しいジュニア・フォーミュラカーレース。その理念は「世界で活躍する有能な若手ドライバーの発掘と育成」および「日本のモータースポーツの裾野を広げ将来を支える人材の育成」という点に置かれています

◆人材の育成:鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)
 (株)モビリティランドでは、「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、二輪は「鈴鹿サーキットレーシングスクール ジュニア(SRS-J)」、四輪は「鈴鹿サーキットレーシングスクール カート(SRS-K)」と「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ(SRS-F)」のレーシングスクールを運営しています。
 このスクールではこれまでMotoGPライダーやF1ドライバーを輩出しているほか、数多くの卒業生が国内外の二輪、四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。
 また、SRSでの成績優秀者を対象に、スカラシップとして上位カテゴリーへの参戦をサポートしています。四輪では昨年のSRS-F成績優秀者に対して、今シーズンのFCJへの参戦をサポートしています。

◆Hondaが開催する主な四輪レース
<ホンダ エキサイティングカップ ワンメイクレース>
「ホンダ エキサイティングカップ ワンメイクレース」は、1981年にシビック ワンメイクレースとしてスタートしました。30年以上にわたりアマチュアレースの最高峰のひとつとして開催されている歴史のあるレースです。今シーズンは、インターシリーズ、東日本シリーズを計10戦開催します。

◆海外の選手権に参戦する主なレースおよび参戦ドライバー
<インディカー・シリーズ>
 アメリカン・ホンダ・モーターの子会社であるホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)が、インディカー・シリーズ唯一のエンジンサプライヤーとして、3.5L V8エンジン“HI11R”を全チームに供給します。今年は北米最大のモータースポーツイベントであるインディアナポリス500マイルレースが、開催100周年を迎えます。Hondaは単独供給を始めた2006年以降5年連続で、エンジントラブルによるリタイアを発生させていません。今年も性能差の少ない均質かつ信頼性の高いエンジンを供給してまいります。
 インディカー・シリーズに参戦する日本人ドライバーは、佐藤琢磨が「ケーブイ・レーシング・テクノロジー ロータス」から、2年目のシーズンを迎えます。

<アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)、ル・マン・シリーズ(LMS)>
 昨年、HPDはアメリカン・ル・マン・シリーズのLMP※7クラスで、ドライバー、シャシーマニュファクチャラー、エンジンマニュファクチャラー、チームの4冠を獲得しました。また、欧州で開催しているル・マン・シリーズでは、英国ワース・リサーチと共同開発した“ARX-01c”シャシーと3.4L V8自然吸気エンジンの供給を昨年から開始し、参戦初年度でLMP2クラスにおいてドライバーズチャンピオンを獲得するとともに、HPDとして初めて参戦したル・マン24時間レースで、LMP2クラス優勝(総合5位)を果たしました。

 今年はHPDと米国における研究・開発機関であるHRA(Honda R&D Americas, Inc.)が、量産V6エンジンをベースにLMP2用の2.8L V6ツインターボエンジンを共同開発しました。ALMSでは、参戦チームの「レベル5 モータースポーツ」にエンジンを供給し、LMPクラスへの参戦をサポートします。
 また、ル・マン・シリーズならびにル・マン24時間耐久レースでは、“ARX-01d”シャシーと新開発の2.8L V6ツインターボエンジンを、「ストラッカ レーシング」と「レイ マロック リミテッド」に供給し、LMP2への参戦を引き続きサポートします。

※7 LMPとは、Le Mans Prototypeの略でル・マン・シリーズ(アメリカン・ル・マン・シリーズ含む)においてレース専用に開発された車両のカテゴリー名称。ル・マン・シリーズでは、車両規定の違いにより、LMP1、LMP2クラスに分かれる(アメリカン・ル・マン・シリーズは、2010年よりLMPクラスに統合して開催)