更新日: 2018.02.16 03:01
ポルシェ、ル・マンGTE Proクラスで上位に4台
第79回 ル・マン24時間レース
GTE Proクラス:ポルシェ911 GT3 RSRが上位8位中、4台を占める
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)の911 GT3 RSRは、6月11日、12日に開催されたル・マン24時間のGTE Proクラスにおいて惜しくも表彰台を逃すことになましたが、上位8台に4台が入り、そのパフォーマンスを証明しました。
昨年、911 GT3 RSRが制覇した伝統ある耐久レースのスタートから24時間後、ポルシェのワークスドライバー、マルク・リーブ(ドイツ)、リヒャルト・リーツ(オーストリア)、ウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)を擁するフェルベマイヤー・プロトン・チームは、GTE Proスポーツカークラス4位でフィニッシュ。フランスのIMSAパフォーマンス・マットミュート・チームが5位につけ、米国のフライングリザード・モータースポーツがこれに続く6位に入りました。ベルギーのプロスピード・コンペティション・チームのポルシェ911 GT3 RSRは8位でフィニッシュしています。また、マシン1台につきプロのレーシングドライバーが1人だけ入ることを認められ、2010年モデルマシンだけが出走できることになっているGTE Amクラスでは、フランスのラルブル・コンペティション・チームが911 GT3 RSRで2位に輝きました。
ポルシェのモータースポーツ部門を率いるハルトムート・クリステンは次のように語っています。「私達のチームは全員、準備万端でレースに臨みました。極めて困難な状況の中、ポルシェ911 GT3 RSRは耐久性と信頼性が非常に優れていることを証明しました。不幸なことに、私達は2つの予想外の出来事、最速を誇る911 GT3 RSRに対してレース主催者のACOが行った性能調整とタイヤのライフ問題に対処しなければなりませんでした。タイヤ1セットあたりのラップ数を予定通りに走ることができないという現象に見舞われ、タイヤ交換のためにピットストップの回数を増やさざるをえませんでした。こうした状況を踏まえれば、この結果には満足しています。特にGTE Amクラスでは、私達のチームが表彰台の一角を獲得しているのです。この好成績に貢献してくれたチーム全員、ドライバー、パートナーに対して、お祝いの言葉を述べたいと思います」。
2010年に優勝を果たした時と同様、ポルシェのクルーは、あらゆるシーンにおいて、高い信頼感を抱かせる見事なパフォーマンスを見せました。フェルベマイヤー・プロトンのドライバー、マルク・リーブ、リヒャルト・リーツ、そしてウォルフ・ヘンツラーは完璧な走りを見せたものの、レースでは多くのアクシデントが発生し、セーフティカーが介入する場面も見られました。不幸にもピットレーン出口で赤信号になったことに加えてタイヤのダメージによってボディの修理が必要になったため、レースの序盤で早くも1周以上のロスを余儀なくされています。これらを除けば、このブルーの911 GT3 RSRがピントインしたのは、タイヤ交換と燃料補給のためだけでした。チームリーダーであるクリスティアン・リードのリーダーシップのもと、フェルベマイヤー・プロトン・チームのピットクルーは非常に素早いピットストップに貢献しました。
ポルシェのワークスドライバー、パトリック・ピレ(フランス)も、渋滞によるピットレーン出口の赤信号によってタイムをロスしました。日付が変わる少し前に、ピレおよび彼とコンビを組んでいたチームオーナーのレイモン・ナラック、そして同じフランス人のニコラ・アルマンドは、GTE Proクラスで8位につけていました。2シーズンにわたりル・マン・シリーズでタイトル争いを繰り広げてきたピレとナラック、そして24時間レースのルーキーであるアルマンドの3人は、完璧な走りを続ける911でコンスタントなラップタイムを叩き出しながら、5位にまで順位を上げました。
フライングリザード・モータースポーツのパイロットは、この耐久レースで目まぐるしい順位争いを演じました。レース開始直後はセットアップが完璧ではなく、タイヤのダメージとも戦わなければなりませんでした。しばらくの間、ワークスドライバーのイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/パトリック・ロング(米国)/ルーカス・ルール(ドイツ)組は、4位につけて期待を抱かせましたが、トラブルにより8位に後退しました。その後は困難なレース展開の中で、なんとか納得のいく6位まで順位を上げました。
「最後まで戦い抜く」 – それがベルギーのプロスピード・コンペティション・チームのモットーでした。ワークスドライバーのマルコ・ホルツァー(ドイツ)、ベルギーのマーク・グーセン、オランダのヤープ・ファン・ラーヘンは、レース3分の1が終了した時点でトップに立つ勢いを見せていましたが、2度のマイナーリペアによるピットストップでタイムロスしたため、最終的には8位でフィニッシュしました。プロスピード・コンペティションの粘り強いメカニックは、最高のパフォーマンスを見せたピットクルーに授与される「ESCRA賞」を受賞しています。
GTE Amカテゴリーでは、クリストフ・ブーレ、パスカル・ジボン、ジャン=フィリップ・ベロックらフランス人ドライバーを擁したラルブル・コンペティションが2010年モデルの911 GT3 RSRで2位に輝きました。
また、2台の911 GT3 RSRは自分達のミスではないアクシデントに見舞われ、リタイヤを余儀なくされました。そのうちの1台、フェルベマイヤー・プロトンの2号車はタイヤにダメージを受け、ドライバーのアブドルアジーズ・アール・ファイサル(サウジアラビア)は最速のインディアナポリスコーナーでコースから投げ出されてしまいました。幸い、アール・ファイサルは無傷のままマシン這い出ることができましたが、ニック・タンディ(イギリス)およびブライス・ミラー(米国)と共にドライブしていたGTEプロクラスの911 GT3 RSRは大きなダメージを受け、修理不可能な状態に追い込まれました。GTE Amクラスに出場したオーストリア人のホースト・フェルベマイヤーSr.(チーム・プロトン・コンペティション)は、午前8時、ライバルが引き起こしたアクシデントに巻き込まれています。彼が乗る911 GT3 RSRは運転席側に大きなダメージを受け、彼自身はメディカルチェックを受けるために病院に運ばれました。
リザルト:ル・マン24時間
GTE Proクラス
1. ガルシア/ミルナー/ベレッタ組(スペイン/米国/モナコ)、シボレー・コルベットC6 ZR1、314周
2. フィジケラ/ブルーニ/ヴィランダー組(イタリア/イタリア/フィンランド)、フェラーリ458イタリア、314周
3. プリオー/ミュラー/ハンド組(イギリス/ドイツ/米国)、BMW M3 GT、313周
4. リーブ/リーツ/ヘンツラー組(ドイツ/オーストリア/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、312周
5. ピレ/ナラック/アルマンド組(フランス/フランス/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、311周
6. ベルクマイスター/ロング/ルール組(ドイツ/米国/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、310周
8. ホルツァー/グーセン/ファン・ラーヘン組(ドイツ/ベルギー/オランダ)、ポルシェ911 GT3 RSR、293周
GTE Amクラス
1. ガルデル/カナル/ボルンハウザー組(スイス/フランス/フランス)、シボレー・コルベットC6-ZR1、302周
2. ブーレ/ジボン/ベロック組(フランス/フランス/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、301周