更新日: 2018.02.16 08:51
本山「荒れたレースで3位に入れたのは良かった」
5月4日(金) 天候:くもり時々晴れ 路面:ウェット/ドライ 気温:19℃ 路面温度:23℃(決勝開始時)
第2戦の決勝は、あいにくの曇り空の中の開催となったが、4年ぶりに復活した「富士500kmレース」の人気は高く、サーキットには朝から5万人を超す大観衆が詰めかけた。この日、大会2連覇と今季初優勝を賭け戦う23号車「MOTUL AUTECH GT-R」は、4番グリッドからレーススタート。午前中のフリー走行はドライが予想される決勝のセッティングを確認するための重要なセッションだったが、前日の雨が濡らした路面はこの時点ではまだ回復せず、決勝はぶっつけ本番となった。
午後になるとコース上は、完全にドライへと回復した。しかし上空には厚い雲が浮かび、いつ降ってきてもおかしくない状況。
そして午後2時のレーススタート約10分前、とうとう雨が降ってくる。このため110周の長い戦いは序盤から、非常に荒れた展開となった。先行きが読めない中、全車スリックタイヤを履きフォーメーションラップがスタート。レースはセーフティカーランで始まった。フォーメーションを終えた時点で1台がピットインしタイヤをレインに交換すると、1周目の後他のマシンも一斉にピットイン。本山哲がスタートドライバーをつとめる23号車はこの混乱の中スタートを決めると、8周目に3位へと浮上した。
ところが雨はこの直後に止み、10周目からは再びタイヤをスリックに戻すマシンが現れ始める。23号車も15周目にピットイン。ここで23号車のピットクルーはいつものように、ライバル勢を上回る迅速な作業で、同時ピットインしていた先行車を1台抜くことに成功。その後も上位争いはレイン勢、スリック勢が入り乱れ、さらにコース上でも数々の混乱が生じ23号車の順位も変動していったが、全てのマシンがスリックとなり順位が落ち着いた27周目、23号車は3位をキープしていた。
序盤にタイヤ交換のため2度のピットインを行った23号車だが、この時給油を行っておらず、まだ2度のルーティンピットインを残していた。給油のための最初のピットインは41周目。ここからドライバーはミハエル・クルムに交代する。クルムはその翌周に2位に浮上すると、その後も燃料が軽くなる毎にペースを上げ、トップを猛追した。
83周目、23号車は最後のピットインに入る。ステアリングは再び、本山に託された。そしてここでようやく、実際の順位が見えてくる。序盤のタイヤ交換の際に同時に給油も行っていた2台がその先1ピットで乗り切る作戦を敢行しており、ここで2トップを形成。このため全車が最後のピットインを終えると、23号車のポジションは4位に。しかし残り20周となったあたりで再び雨が降り出したことが、また新たな展開を生むこととなる。この後雨が激しくなると予想したのか、レインタイヤに交換する作戦を取ったチームなども出たが、スリックのまま踏ん張った23号車は3位に浮上しそのままチェッカー。今季初表彰台を獲得した。
目まぐるしく状況が変わっていく長丁場のレースで各陣営試行錯誤した結果、展開は様々に分かれることになった。ギャンブルに成功したチーム、または失敗したチームで一喜一憂があった中、23号車はその都度的確に状況を判断、さらにドライバーとピットクルーも着実に仕事をこなし3位を呼び寄せた。これもまた、チーム力が発揮されたレースだといえるだろう。この結果、チャンピオンシップではシリーズ4位の19ポイント。トップとは11ポイントの差で次戦RD3セパン(マレーシア)を迎えます。
●本山 哲のコメント
「レース前に振りだした雨がレース中も止んだりまた降ったりと、いろいろな事があり過ぎて、戦略もタイヤチョイスもかなり混乱してしまいました。第一スティントの序盤は今どの順位にいるのかも把握できない状況だったので、とにかく集中して走るということだけ考えていました。優勝したかったというのが本音ですが、チャンピオンシップを考えればこの荒れたレースの中で3位のポイントを獲得できたことは良かったと思います。マシンの速さはあるので、優勝のチャンスは次戦以降も充分あるはずです。次のセパンでは、皆さんの期待に必ず応えてみせます。応援よろしくお願いします!」