更新日: 2018.02.23 15:46
琢磨「ソノマではいい戦いができるはず」
第16戦 ミルウォーキー
わずかなチャンスさえ味方にできれば……
ベライゾン・インディカー・シリーズのミルウォーキー戦も、佐藤琢磨にとっては不本意な結果に終わった。2014年シリーズでいく度となく経験した絶望的な事態こそ起きなかったが、力強くレースを戦うために必要なちょっとした運もとうとう巡ってこなかったからである。
ABCサプライ・ウィスコンシン250が開催されたミルウォーキーは、これまで琢磨が何度も速さをみせつけてきたコースなので、もしもちょっとした運さえ手に入れることができれば、望みどおりの結果が得られたことだろう。そうした思いがあったので、この伝統的なサーキットでの戦いを前にして、琢磨たちは大いなる希望を抱いていたのである。
プラクティスでは、目の覚めるような結果こそ残せなかったものの、納得のいく進歩を果たすことができた。「週末の滑り出しは、あまりいいものではありませんでした」と琢磨。
「2ヶ月前にテストしたときとはコンディションが大きく異なっていたのです。このテストでは、昨年のものから一新したとてもいいセットアップが見つかったので、そこからさらに速くする方法が見つかると考えていました。テストのときは気温が低く、様々な比較テストを実施できました。ところが、レースウィークに入ると気温はとても高くなっており、デグラデーションによりタイアの性能がひどく落ち込むようになっていたのです」
「その後も僕たちはいくつかのテストメニューに取り組みました。フリープラクティス1では評価を下すのが難しい状況でしたが、2回目のセッションでは大幅な進歩が見られました」
2周の平均スピードで競われる予選で、琢磨は10番グリッドを手に入れる。
「もっといい結果が出せたかもしれません。コースコンディションはまたしても変わっていました。夕方の予選でしたが、まだ日は高く、けれども路面温度は急激に下がっていたのです。プラクティスではスタビリティが不足していましたが、予選ではアンダーステアのことだけを考えればそれで充分でした。つまり、リアのスタビリティが改善されたわけで、これは喜ばしいことです。プラクティスの段階では、全開でこのコースを走るのはおそらく不可能だと思っていましたが、実際に予選が始まってみると、スロットルを戻さなければいけないのはアンダーステアへの対処が必要なときだけで済みました」