更新日: 2018.02.23 15:30
琢磨「マシンを改善できないまま時間切れとなった」
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第8戦 テキサス(決勝6月7日)
断ち切れない不運の連鎖
またもや不運のレース。テキサス・モーター・スピードウェイで開催されたベライゾン・インディカー・シリーズの一戦に臨んだ佐藤琢磨は、レースが残り10周となったときに13番手につけていながら、エンジン・トラブルのため戦列離脱を余儀なくされることとなった。
率直にいって、それは衝撃的といえる結末ではなかった。1週間前にデトロイトのベルアイルで行なわれたレースでは、なにひとつ過ちを犯していなかったにもかかわらず、No.14をつけたAJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダを駆る琢磨は事故に巻き込まれ、上位入賞のチャンスを奪われてしまった。けれども今回、チームは地元のレースでペースが伸び悩み、苦戦を強いられたのである。
「僕たちにとってはとても苦しい週末でした」と琢磨。
「コースを走る時間が非常に短かく、たった1回のプラクティスだけで予選を迎えねばなりませんでした。しかも、今回はナイトレースなので、プラクティスや予選、それに決勝では、マシーンの反応は大きく異なっていました。このため、常に先を見越した戦い方が求められたのです」
「プラクティスは、目を覆いたくなるほど悪くもありませんでしたし、ものすごくいいともいえませんでした。今年のルールに従うと、昨年より大きなダウンフォースをつけられます。2012年、インディカー・シリーズは密集したレースを避けるためにダウンフォースの削減を決めました。昨年は、これがやや行きすぎたものだったことが判明しましたが、この2年間、テキサスのレースは力と力のぶつかりあいではなく、文字どおりのサバイバル戦となっていました」
その理由は、次のようなものだ。まず、ダウンフォースを減らせばマシーンのスライドが増える。するとタイアの性能が急速に低下し、これにあわせてグリップ・レベルも大幅に悪化してしまうのである。いっぽうで、ダウンフォースの増大は、ダラーラDW12のセッティングを見直さなければいけないことを意味する。