更新日: 2018.02.23 16:49
琢磨「予選・決勝と歯車がかみ合いませんでした」
失望すべき結果
第12戦 ミルウォーキー
手応えと失望。ミルウォーキーで開催されたベライゾン・インディカー・シリーズの一戦で佐藤琢磨とAJフォイト・レーシングが経験したことは、このふたつの言葉に集約できる。No.14 ダラーラ・ホンダはリードラップで14位フィニッシュを果たしたが、この結果はミルウォーキーの週末に彼らが示した恐ろしいまでのパフォーマンスをまったくといっていいほど反映していない。
ミルウォーキー・マイルのレーススケジュールは驚くほどコンパクトなものだった。土曜日には最初のプラクティスのみを実施。2回目のプラクティスは日曜日に行い、そのまま予選、決勝になだれ込むという日程である。
「すべてがぎゅっと凝縮されていたので、とても難しい週末でした」と琢磨。
「いくつかのことは試せても、その解析に必要な十分な時間がなかったので、エンジニアの視点からいえばとても難しかったと思います。このため、基本的なセットアップをまとめるうえで、土曜日のプラクティスは非常に重要だと考えられました」
このセッションで琢磨は終盤までトップに立っていたものの、最終的には3番手となった。
「マシーンの調子は最高でした。最終的に煮詰めるにはもう少し試すべきことが残っていましたが、数周するとこの点も解決し、ニュータイアでも僕たちは非常にコンペティティブでした。チャンピオンシップでトップ10に入っているドライバーたちは追加のタイアを投入しなかったので、タイムそのものについてはあまり心配しませんでしたが、僕たちはとてもいいポジションにいたし、ホンダのエアロはショートオーバルで素晴らしい性能を発揮していたのです」
土曜日の午前中に行われたプラクティスで琢磨は5番手となった。
「このプラクティスはとても忙しく、残り45分間で予選シミュレーションとレースセットアップの両方を行わなければいけませんでした。そこで、ニュータイアを装着した1周目に予選トリムの確認を行いましたが、このときはバランス、スピードともにとても満足がいくものでした。ただし、レースに向けてはダウンフォース・レベルを変更しなければいけません。異なるスプリングを用いたサスペンション・セッティングを試さなければいけないほか、新しいエアロパッケージは車高の調整に対して非常に敏感に反応します。ところが、僕たちはダウンフォースを大きめにしたレースセットアップには満足できませんでした。通常、ほかのドライバーの直後につくとアンダーステアになるものですが、このときはオーバーステアに転じていたのです。これは、フロントウィングの空力効率が非常に高いということを証明しているいっぽうで、リアのダウンフォースは乱気流の影響を受けて大幅に減少するために起きるものと推測されました。このままでは誰かを追うのが極めて難しいため、別のパッケージングを考えなければいけませんでしたが、残念ながらセッションは時間切れとなってしまったのです」