更新日: 2018.02.23 16:40
琢磨「今回は純粋にスピードが不足していた」
日の目を見なかった努力
第9戦テキサス
ドラマ満載のレースで佐藤琢磨が2位を勝ち取ったベライゾン・インディカー・シリーズのデトロイト戦からわずか数日しか経っていないというのに、テキサス・モーター・スピードウェイにやってきたNo.14 AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダはとにかくスピードが不足していた。このため、フルコーションはコース上に破片が落ちているのが見つかったときに提示された1回だけとなったレースで、琢磨は16位という不本意な結果に終わったのである。
「たしかに、デトロイトよりもはるかに落ち着きのあるレースでした」と琢磨。
「けれども、コクピットのなかは大忙しでした! 僕たちはあまりコンペティティブではなかったので、もう少したくさんイエローが出てくれるとよかったんですが……」
最初のプラクティスでは3番手に入ってホンダ勢のトップに立っていたから、琢磨にとってはもっとずっといいレースになると期待されていた。
「順調のように見えたでしょうね。でも、オーバルコースではトー(スリップストリーム)の効きが強いので、プラクティスの結果を鵜呑みにするわけにはいきません。今回、予選前のプラクティスは1回だけしかありませんでしたし、前回のオーバルレースであるインディ500の後で空力コンフィギュレーションは変更され、リアウィングのメインエレメントはダラーラ製の2014年仕様を使うことになりました。その他にも、マシーンの横転を防ぐことを目指した空力面のモディファイが実施されていたので、たくさんのテストを行わなければならなかったほか、予選でどのくらいダウンフォースを削れるかは簡単には見通せない状況でした」
「そのいっぽうで、予選と同じ空力パッケージで決勝を戦わなければいけないという規制もなかったので、自由な面もたくさんあり、決勝レースではウィングレットを追加することも認められました。予選はプラクティスのときと同じようにダウンフォースを減らして挑むので、僕はもちろん自信を持っていましたが、それでも実際の予選にはさらに攻めた姿勢で臨むつもりでした。ただし、結果的には思うように事は運びませんでしたが……」