更新日: 2018.02.16 02:08
911 GT3Rハイブリッド『Ver2.0』がレースデビュー
プレスインフォメーション\t2011年5月02日
911 GT3Rハイブリッドの“バージョン2.0"がレースデビューを成功で飾る
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のポルシェ911 GT3 R ハイブリッドは、さらに最適化され強烈なレースデビューを果たしました。このヴァイザッハ生まれの革新的なハイブリッドレースカーの“バージョン2.0"を駆るポルシェのワークスドライバー、イェルク・ベルクマイスター(ドイツ)、マルコ・ホルツァー(ドイツ)、パトリック・ロング(米国)の3人は、ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップ第2戦を11位で終えました。また、マンタイ・レーシングからエントリーしたポルシェ911 GT3 RSRをドライブするポルシェのワークスドライバーのティモ・ベルンハルト(ドイツ)とロマン・デュマ(フランス)、およびマンタイのドライバーであるルーカス・ルール(スイス)は、2位に入っています。
ポルシェ911 GT3 R ハイブリッドのレースへの参戦は、6月に行われるニュルブルクリンク24時間レースに向けた徹底的な準備の一環でした。ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンは、「今のところ開発はスケジュールどおりに進んでおり、2011年バージョンも順調に進化を遂げています。我々は耐久テストに加えて、ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップのシリーズ戦のうち、あと1レースへ参戦してデータ収集を行い、『アイフェル・マラソン』に向けた準備を万全なものにするつもりです」と語っています。
この冬の間に行われた開発作業では、効率向上が最優先されました。これにより、ハイブリッドコンポーネントを含む車両重量は1,350 kgから1,300 kgに軽量化されました。ターゲットを絞った最適化により、ハイブリッドコンポーネントの重量は20 %軽くなっています。全体的なハイブリッドのレイアウトは2010年モデルのものが受け継がれています。
フロントアクスルに置かれた2つの電気モーターの出力は、各60 kWから75 kWにアップしました。これにより911 GT3 R ハイブリッド2.0のドライバーは、1回につき数秒の間、約200 PSのパワーブーストを利用できるようになります。これは北コース1周あたり、従来のパワーに換算して約23 kW(32 PS)のアップに相当します。ドライバーはこのパワーブーストをアクセルペダルを踏むことにより自動的に得られるようにするか、または手動でオーバーテイク時などに使用するかをプログラミングで決定することができます。
前輪を駆動するこの2基のモーターを内蔵するフロントアクスルとは別に、後輪を駆動する4リッター水平対抗6気筒エンジンの出力は、465 PSに抑えられ燃費が最適化されました。
イェルク・ベルクマイスターは、「多くの点で、911 GT3 R ハイブリッドのバージョン2.0は完全に新しい車となっています。新しい車が最初のレースで完走するというのは、例外なく、良い兆候です」と話しています。
マンタイ・レーシングのイエロー/グリーンのポルシェ911 GT3 Rもトラブルなくレースを走り終え、ティモ・ベルンハルト/ロマン・デュマ/ルーカス・ルール組は優勝したメルセデスと33.6秒差の2位を獲得しました。3人は口をそろえて、「私達の車はスムーズに走りました。レース全般を通して何度もメルセデスとの間で激しいトップ争いを繰り広げ、非常に楽しむことができました」と話しています。
ゲオルク・ヴァイス/オリヴァー・カインツ/ミヒャエル・ヤーコプス組(いずれもドイツ)のポルシェ911 GT3は7位でチェッカーフラッグを受けました。また、ヨッヘン・クルンバッハ(ドイツ)/マルク・ジンドルフ(モナコ)/フィリップ・ヴラツィーク(ドイツ)組の911 GT3 Rは9位に入りました。