更新日: 2018.02.23 10:29
【Honda】エリオ・カストロネベスがインディ500のポールポジションを獲得 武藤英紀は16番グリッドよりスタート
エリオ・カストロネベスがインディ500のポールポジションを獲得
武藤英紀は16番グリッドよりスタート
2009年5月9日(土)、10日(日)
会場:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(全長2.5マイル)
天候:9日/曇りときどき晴れ、10日/晴れのち曇り
気温:9日/15~17℃、10日/17~19℃
インディ500は今年で93回目の開催を迎える、世界で最も長い伝統を誇るレースだ。1909年、アメリカ東部のインディアナ州都に全長2.5マイルのスーパースピードウェイは造られ、2回の世界大戦の間を除き、毎年500マイルの長距離レースは行われてきた。
インディ500の予選は2週末にわたって行われる。今年は5月6日(水)にプラクティスをスタートする予定だったが、雨で1日遅れの木曜日に走行は始まり、2日間のプラクティスのあとに予選初日を迎えた。
ポールデイと呼ばれる予選初日には、ポールポジションから11番目までのグリッドが決定される。予選は正午から夕方の6時までで、1台が4ラップの連続周回を行い、その平均スピードによってグリッドが決められる。ただし、インディ500では各ドライバーに一日3回までのアタックが許されており、今年のポールデイも多くのドライバーたちが複数回のアタックを行った。
気温が低く、西からの風が強く吹く難しいコンディションが続く中でポールポジションを獲得したのは、エリオ・カストロネベス(Team Penske)だった。彼は2回目のアタックで平均速度224.864マイルをマークし、チームメートのライアン・ブリスコーを暫定トップの座から引きずり下ろした。この後にブリスコーは逆転を狙うアタックを行ったが、カストロネベスに0.5597秒届かなかった。
カストロネベスのポールポジションはIRL インディカー・シリーズで27回目、インディ500で3回目となった。予選2番手はブリスコー、予選3番手はダリオ・フランキッティ(Target Chip Ganassi Racing)が獲得した。
予選2日目は風も収まり好天に恵まれ、12位から22位までのグリッドが決定した。武藤英紀(Andretti Green Racing)は平均時速222.805マイルで16位となり、この日から決勝に向けたマシンセッティングに取りかかった。予選2日目の最速は平均時速223.429マイルを出したルーキーのラファエル・マトス(Luczo Dragon Racing)で、スポット参戦のポール・トレイシー(KV Racing Technology)が予選13番手と続いた。予選2日目には時間切れギリギリのタイミングでスコット・シャープ(Panther Racing)がE.J.ヴィソ(HVM Racing)を22番グリッドから弾き出すドラマが見られた。残る11のグリッドは今週末の5月16日(土)、5月17日(日)に決定する。
コメント
エリオ・カストロネベス(ポールポジション)
「つい2カ月前まではレースに復帰することだけを考えていた。脱税疑惑の裁判がどれだけ長くかかるかがわかっていなかったので、不安も大きくあった。しかし、無罪が証明され、私はこうしてインディ500に出場している。そして予選でポールポジションを獲得できた。信じられない。本当にうれしい。私を信頼してくれたチームが、今日もすばらしいマシンを用意してくれた。彼らには感謝してもしきれない。Team Penskeのインディ500に対する情熱は、毎年のことだが本当にすごいものがある」
ライアン・ブリスコー(2番手)
「我々のマシンにもポールポジションを獲得するだけの力があったと思う。難しかったのは、我々が1回目のアタックでトップに立ち、戦い方が防戦的にならざるを得なかった点だった。予選の終盤に逆転を目指したが、十分にセッティングをよくしてアタックに臨むという時間的な余裕を得ることができなかった。それでも予選1、2番手を独占できたのだから、チームとしては完ぺきな成績を残すことができたと思う」
ダリオ・フランキッティ(3番手)
「欲しかったのはポールポジションだったが、予選3番手で、フロントローから決勝レースをスタートできるのだからハッピーだ。しかし、我々は予選でマシンの力をフルに引き出しきれていなかった。もっといいタイムが出せたはずだ。その点では悔いが残っている。決勝では我々が望む通りにすべてを完ぺきに用意し、思う存分に納得のできる戦いを行うつもりだ」
武藤英紀(16番手)
「ポールデイに予選通過しようと考えていましたが、マシンのリアがあまり安定しないセッティングになっていて、予選2日目での通過になりました。チームは残りのタイヤセット数を気にしているため、2日目のアタックは1回だけになりましたが、もう1回やっていれば、もっと上位のグリッドを獲得できていたと思います」
ロジャー・グリフィス|HPD レース・チーム・マネジャー
「一日に11位までのグリッドを決定するルールを出場チームは完全に理解し、時間をフルに使う作戦を含め、実にエキサイティングな戦いを繰り広げていた。エリオ・カストロネベスは難しいコンディション下で経験の豊富さをアドバンテージに、ポールポジションを獲得。結果、Team Penskeは1、2位を占め、その実力の高さを示した。Target Chip Ganassi Racingも高い実力を発揮して予選を戦っていた。
予選2日目の戦いもレベルの高いものとなっていた。ベテランのスコット・シャープは最後の最後で、午後6時を目前にコースインしてのアタックを敢行。見事グリッドを獲得し、インディ500の予選ならではの戦いぶりを見せていた」