スーパーGTニュース

投稿日: 2009.09.30 00:00
更新日: 2018.02.15 15:35

【Studie GLAD Racing】初音ミク Studie GLAD BMW Z4 レースレポート


2009 SuperGT Rd.7 Fuji Speedway
初音ミク Studie GLAD BMW Z4 レースレポート

Rd.7 富士スピードウェイ 公式練習走行 (September 12, 2009)

天候 : 雨のち曇 路面 : ウェット
昨年のデビュー戦以来、8戦に渡ってなにかとトラブルの原因だったエンジン油圧の低下はオイルポンプを改良することで、これまでの苦労が嘘のように解消された。

ミクZ4Ver.2本領発揮が期待されるここホームコース富士スピードウェイ。すっかり涼しくなり、あいにくの雨の公式練習走行。その上、リアサスペンションがダブルウィッシュボーンに変更されて、初めてのウェット走行のため、少しでも多くの周回数を走行することで、セッティングを煮詰めて行きたい。

まずは、ヤス(菊地選手)から深溝レインタイヤを装着してのスタート。「各コーナーで無線の感度チェックお願いします」と片山チーフエンジニア。「了解。いまBコーナー。ザァーーー」とヤスから無線。無線の状態かなり悪い・・・。

そして、いつものように各部のチェックのためにピットイン。そして、ピットアウト。

1周したところでウェット状態には変わらないが、たいぶ路面状態も良くなってきた為、「浅溝に交換したい!!」と、ヤスからの無線。「じゃーピットインして」 とピットが返答する。タイヤだけ交換してピットアウト・・・セクター1通過タイム、セクター2通過タイム、をモニターで確認していたら突然コースオフしているミクZ4の映像が・・・。

パッと観ただけでもリアウイングの一部が脱落している様子。しかし、無線の状態が悪くピット内では状況がまったくわからない。ほどなくしてミクZ4が戻ってきた。

フロント左側・リア左側が大きく損傷しているため、メカニック総出で補修作業を開始。フロントバンパーの損傷度合いは結構なもので、リアはボディパネルごと押され、なんとフロントトラックロッドが「くの字」に曲がっている状態。この状態から練習走行時間内の修復は不可能と判断し、予選出走を目標に作業を進めることに。

Rd.7 富士スピードウェイ 予選 (September 12, 2009)
天候 : 雨のち曇 路面 : ウェット

なんとか午前中のクラッシュも修復できたことで迎えた予選ラウンド。まずは、ヤス(菊地選手)からスタート。実質、雨用セッティングができていないままでの状態。それでも即 1'58"432 をマークして、予選通過基準タイムを大幅にクリア。5周したところで、ドライバー交代のためにピットインして、午前中まったくドライブするができなかった章蔵(田ヶ原選手)にバトンタッチ。

路面状況は徐々に良くなってきたが、ここは無理をすることなく基準タイムクリアと修復してマシンの状態チェックに集中して走行を続ける。1'59"939 をマークしたところで GT300占有時間となったことで、再度ヤスにチェンジ。ベストラップを更新して 1'58"425 16番手を記録して予選が終了。

Rd.7 富士スピードウェイ フリー走行 (September 13, 2009)

天候 : 晴れ 路面 : ドライ
前日と一転して気温・路面温度ともにグングン上昇してきたフリー走行。まずは、ヤス(菊地選手)から燃料満タン状態でのスタートです。雨と比較するとデーターが若干豊富な「ミクZ4」ですが、まだまだ開発中のマシンな為、サスペンションやリアウィングなどなど、セッティングをするところは沢山あります。

5周目にベストタイムの 1'46"935 をマーク。1番手はブッチギリで 1'46"026 。でも、2番手は 1'45"412 なので 約1.5秒差です。まだまだ進化はしなければいけませんが、やっとバージョンアップ効果がでてきた感じです。

7周終わったところで章蔵(田ヶ原選手)にドライバーチェンジ。ところが「右コーナーでエンジンが息つきします」と無線が・・・。その分タイムも伸び悩み 1'48"801 がやっとな状態。15周したところでチェッカーとなり、走行終了です。ピットに戻ってきたドライバー2人が揃って息つき症状を訴えたため、ピットはチェック作業に慌ただしくなった。

Rd.7 富士スピードウェイ 決勝 (September 13, 2009)
天候 : 晴れ 路面 : ドライ

フリー走行から不安を抱えつつのスタート進行。そのピットから出た瞬間、ヤスから「なんかエンジンおかしい・・・」 と無線。コースオープンして1コーナーを過ぎるあたりで「振動が凄いし、パワーない、ヤバいかも」とヤスのコメント。

そのままピットに入れ、各部をチェック。タイムスケジュールの関係で限られた電気系の一部を交換して急いでグリッドに向けて再スター トし、あとはグリッド上でチェックを・・・。

スターティンググリッドでメカニック達の懸命な不具合箇所を探すもなかなかわからない。無情にも時間だけが過ぎていき、いよいよスタート。ローリング状態で症状はドンドン酷くなっていくため、スタートラインを越えることなくそのままピットイン。エンジン内部をスコープで確認するとバルブの損傷が確認され、ここで無念のリタイヤとなった。

菊地選手のコメント
まずは僕のミスで土曜日のフリー走行でスピン、そしてクラッシュ、本当にゴメンなさい。メカさんの懸命な修復で、そのあとはしっかりマシンの手応えはありましたが、マシントラブルで決勝では1周することもなくリタイヤとなってしまいました。しかし、マシンは確実に速くなっています。あとは僕たちドライバーがキッチリと残り2戦結果を残せるよう頑張るだけです。次戦APも応援ヨロシクお願いします。

田ヶ原選手のコメント
残念な結果でスミマセン。土曜・日曜とあまりマシンに乗るチャンスが少なかった週末でした。チーム・マシンとしては確実に上昇気流に乗っていますが、今回は何かが噛み合っていなかった気がします。ただ確実にチーム力はアップしてきています。もちろんマシンの速さを発揮できる日も近いと信じています。次戦に向けて、マシンのポテンシャルを発揮できるよう僕なりにもっともっと勉強していきます。これからも応援よろしくお願いします。

鈴木監督のコメント
今回もたくさんのアツイ応援を頂きまして誠に有難うございました。サーキットでも本当に大勢の方に「頑張って下さい!」「期待してます!」とお声掛け頂き、本当に力強く感じておりました。しかしながら結果としては、これまでで最も悪い内容と言っても過言では無いレースになってしまい、大変申し訳ない気持ちと情けない気持ちで当分の間は、造り笑いさえ出来ぬほど落胆しておりました。本当に申し訳ありませんでした。今年も残す所あと二戦となります。我々に残された道としては、何としてもこの二戦でこれまでに無い良い結果を出すことであると思っています。そして、ミスさえ無ければそれは比較的難しいことでは無いと考えています。期待を裏切ってばかりで本当に恐縮ですが何とかもう二戦 変わらぬ応援を頂戴出来れば幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

ほしなのコメント
2戦連続のリタイア、ホントに申し訳ございません。しかも今回の決勝ではスタートを切ることすらできませんでした。期待して下さっていた皆様には、ただただお詫びの気持ちでいっぱいです。シーズン当初より照準をあわせてきた富士だっただけに、この結果は正直ショックでした。しかも前戦までずっと我々のチームを苦しませてきたエンジン油圧の問題もクリアしていただけに非常に残念です。鈴鹿戦終了後からホントに時間がない中で昨年デビューから8戦に渡って解決できなかった油圧の問題をすんなりクリアして頂き、またシーズン途中から突然に前任のエンジン担当からバトンタッチすると言う無理なお願いに快諾して頂きました、エンジン担当エンジニアには感謝しています。全ての責任は、このタイトなスケジュールで富士戦に望むことになった、僕自身の管理体制の甘さから招いた結果だと思っています。重ね重ね申し訳ございません。とはいえ、リタイアとなったこの2戦ですが、エンジン担当を含めて百戦錬磨の強力なスタッフを迎え入れられたことで、確実にチーム力はアップしています。
あとは結果を残すのみです。次戦にむけて、どうエンジンを改良していく必要があるかのスタートは切っています。もう今シーズンも残り2戦となって、初めてのオートポリス、そして全車ウェイトハンディ無しとなるツインリンク茂木と厳しい戦いになると思いますが、来シーズンに繋がるようなレース展開・結果になるよう、気を引き締めてガンバッていきたいと思っています。これに懲りずに引き続きの熱い、熱い応援を宜しくお願い致します。


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