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投稿日: 2011.04.13 00:00
更新日: 2018.02.16 01:48

ピレリ、中国での試験タイヤはなし。通常のタイヤを追加


2011年 中国GP
ピレリ、上海での新たなサプライズに備える

2011年4月12日、ミラノ

グランプリ概略
マレーシアGPでは数々のオーバーテイクが生まれ、まさに最終ラップまで表彰台争いが続くなど、見どころに富んだレースとなりました。ピレリは中国GPでもそれ以上のレースが展開されるものと期待しています。
上海サーキットは最新F1マシンの性能が極限まで試されるように設計され、特にタイヤに最も大きな負荷がかかるトラクション性能とブレーキング性能が重要となります。中国の気温はマレーシアに比べて格段に低く、湿度もそれほど高くはありません。路面もセパンよりスムーズで、理論的にはデグラデーションも小さくなるはずです。しかし中国では雨が降ることも少なくなく、マレーシアではドライのレースとなりましたが、今週こそはインターミディエイトとウエットのPZeroタイヤがデビューを果たすかもしれません。
ドライタイヤについては、オーストラリア、マレーシアに続いて再びハード・タイヤとソフト・タイヤが用意されています。特にソフト・タイヤはこの全長5.451kmの上海サーキットに適していているはずです。しかし中国でのレースはいつも予想外の展開になります。2004年の初開催から、毎年のように異なる勝者が生まれているのです。様々な特性、複雑な変化が中国GPの特徴だと言えます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「ピレリタイヤがF1のショーアップに貢献していることを非常に嬉しく思っています。チームやドライバーが驚くべき速さでものごとを学んでいくのにはいつも感心させられています。タイヤを少しでも長くもたせるため、彼らは常に新たな方策を見つけ出していっているのです。オーストラリアでは2回、マレーシアでは3回のピットストップを予想していましたが、中国GPでそれがどうなるかは、金曜日のフリー走行で収集したデータの分析を待ってからでなければ予想できないでしょう。
中国GPの金曜フリー走行には、試験的なタイヤを供給したマレーシアGPとは異なり、オーストラリアGPと同様に通常のハード・タイヤを各チーム1セットずつ追加供給します。各チームの走行時間をできるだけ増やし、決勝に向けた準備をしっかりと進めることができるようにするため、今回もそうすることに決めました。
開幕からの2戦はこの上なくスリリングなものでした。中国でもまたそんなレースが見られることを期待しています」

ドライバーのコメント ミハエル・シューマッハ(メルセデス):
「オーストラリアとマレーシアでのレースを終えて、上海ではまた全く異なるサーキットに臨むことになる。誰にとってもピレリタイヤを学ぶプロセスは続いていくことになるだろうね。ここまでのレースでは、タイヤマネージメントだけでなくレース戦略が重要だった。間違いなく中国GPでもそうなるだろうと僕は思っている。タイヤの摩耗という点においては、上海サーキットは気温が低くて路面もスムーズだから、マレーシアよりも緩やかになるだろう。基本的にはピレリタイヤのパフォーマンスは良いが、その性能を最大限に引き出すことのできる作動温度領域にタイヤ温度をコントロールすることは非常に難しい。僕自身とチームにとっての課題は、我々のクルマにとって最良の解決策を見付け出すことであり、上海ではこれまで以上にそこに集中したいと思っている」

テクニカル・ノート:
・上海サーキットの特徴のひとつが、ヘビーブレーキング。そのためリアタイヤよりもフロントタイヤに負荷がかかりやすく、激しいブレーキングゾーンではマシンとタイヤには5Gもの減速Gがかかる。
・開幕2連勝を飾りチャンピオンシップをリードしているセバスチャン・ベッテルにとって、中国は特別な場所。2009年にレッドブル・レーシングにとってチーム初のポールポジションと優勝をもたらしている。
・昨年のレースでは、中国GP史上最多のピットストップが行なわれた。刻々と変わる天候の中で行なわれたため、合計67回、ドライバー1人あたり2.79回となっている。ちなみにマレーシアGPで行なわれたピットストップは59回だった。

現在のタイヤチョイス:(China)
Soft / Hard(Option / Prime)

中国におけるピレリ:
・ピレリ中国はピレリ・アジア・パシフィックに属しています。中国はピレリにとっても最も急速な市場拡大を果たしている市場のひとつで、山東(シャンドン)地方に2つの工場を有しており、うちひとつは市販車用タイヤ、もうひとつはトラック用タイヤの工場です。最新鋭の工場で、年間1000万ユニットの生産能力を有しています。

・ピレリタイヤは中国の珠海(ズーハイ)サーキットで行なわれたFIA GT選手権レース、FIAアジアパシフィック・ラリー選手権のチャイナラリーでも素晴らしい成績を残しています。

・ピレリのモータースポーツ活動の歴史において、中国は大きな役割を果たしてきました。ピレリにとって初の大きな国際レース勝利は、1907年に行なわれた北京〜パリ間の公道レースでした。優勝したのは、排気量7リットルのイターラを運転したシピオーネ・ボルゲーゼ侯爵でした。


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