更新日: 2018.02.23 16:52
琢磨「僕にとってもっとも苦しいレースになった」
悪夢に変わった記念レース
第14戦 ミドオハイオ
風光明媚なミドオハイオで繰り広げられたベライゾン・インディカー・シリーズの一戦でも佐藤琢磨は幸運に恵まれなかった。残り30周でリタイアに追い込まれた結果、No.14 AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダは24台の全エントリーのなかで最下位の24位とされた。金曜日のフリープラクティスでは好調だった琢磨にとっては、とても残念な結果だったといえる。
「非常に悔しい週末でした」と琢磨。「滑り出しは好調で、期待が持てる状況でした。初日の感触は良好だったのです。僕はトップ5に食い込んでいて、ホンダのなかでもっとも速いドライバーのひとりでした」
実際、最初のプラクティスで琢磨は4番手に入り、チームメイトのジャック・ホークスワースを直後に従える形でホンダ勢のトップに立っていた。そして2回目のプラクティスでも5番手で、ホンダ・ドライバーのなかでは2番手につけていたのである。「ホンダとシボレーの差はとても小さいように思えたので、勇気づけられました。それと、過去2シーズンはプラクティス・セッションでライバルたちに追いつくのが難しい状況でした。インディカー・テストでは大抵、僕たちはコンペティティブなのに、レースウィークエンドになると状況が大きく異なってしまうのです」
「今年はテストが行なわれなかった代わりに、金曜日には90分間のプラクティスを2度行うことになりました。僕たちは異なるセッティングと考え方で臨み、エアロパッケージも当然異なっています。それらはとてもうまく機能しているように思えました」
もっとも、金曜日が順調だったからといって、その流れが週末を通じて維持されるとは限らない。「ミドオハイオはとても古いコースです。コース幅が狭く、たくさんの上り坂とコーナーがあって、それらが一体となってひとつのコースを形作っています。そして最大の問題は、コースが古いために舗装の表面が磨り減って滑らかになっていて、このためラバーが乗ってくるまでは非常にグリップレベルが低く、その後、コンディションは急激に変化していく傾向にあります。なにしろ、最初のプラクティスから予選までの間に5秒近くもラップタイムは上がっているのです。まるでギアを1速上げたくらいスピードが変わったように感じられます」