更新日: 2023.06.04 21:29
ティエリー・ヌービル今季初優勝。ヒョンデが待望の勝利をワン・ツーで決める/WRC第6戦イタリア
波乱のデイ3から一夜明けた4日(日)のデイ4、最終日のオープングSS16は現地7時05分にスタート。ここでは再出走を果たしたタナクが一番時計を記録しヌービル、エバンスの2名が同タイムで続いた。これにより首位ヌービルと2番手ラッピのタイム差は前日終了時の36.4秒から41.4秒に拡がる。
ヌービルの快走はその後も続きSS17で4番手、勝田が今大会2度目のステージベストを記録したSS18では3番手タイムを記録。SS19の最終ステージを前にその差を42.5秒とした。
午後に入って一時激しい雨が降ったために泥道と化した“パワーステージ”では、大量の貯金を活かし余裕を持った走りで7番手タイムでフィニッシュしたヌービル。サルディニアで過去2勝を挙げているベルギー人が待望の2023年シーズン初優勝を達成した。なお、この勝利はヒョンデチームにとっても今季初めての勝利となり、それをヌービルとラッピによるワン・ツー・フィニッシュで飾っている。
表彰台の最後のスペースは前後との差が大きく開き“ひとり旅”状態にあったカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が獲得。前戦ポルトガルで“フルポイントマーク”でのシーズン初優勝を飾った男は、ここでもパワーステージ最速のボーナス5ポイントを獲得しつつ3位表彰台を得た。
総合4位はトヨタのエバンスだ。彼はパワーステージの右コーナーでワイドに膨らみリヤウイングを損傷するダメージを負うも、無事にフィニッシュまでクルマを運びチームにポイントをもたらした。一方、5番手で最終日に臨んだダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)はSS18開始前にメカニカルトラブルにより無念のリタイアとなった。
■フルモーが勝利目前でクラッシュ、リタイア
この後方にはWRC2クラスの上位勢が並ぶこととなったが、最終パワーステージでドラマがあった。同クラスをリードし優勝目前にあったアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)が、左のロングコーナーでアウト側にはらんでしまいコースオフ。右リヤの足回りを中心にダメージを受け、最後の最後でリタイアを余儀なくされた。
この結果、先にラリーをフィニッシュしクラス2位以上を確定させていたアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が順位を上げてクラスウイナーに。クラス2位はテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)、同3位にはシュコダ・ファビアRSラリー2を駆るカエタン・カエタノビッチが入っている。
前日のデイリタイアから復帰した勝田、オジエ、タナクはいずれも完走を果たし、3名全員がパワーステージのボーナスポイントを獲得した。ボーナスポイントの内訳はタナク4ポイント、勝田3ポイント、オジエ2ポイントだ。