ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.06.26 15:32
更新日: 2023.06.26 18:11

トヨタ、サファリラリーで偉業達成。ラトバラ代表「ふたたび1-2-3-4ができるとは思っていなかった」


ラリー/WRC | トヨタ、サファリラリーで偉業達成。ラトバラ代表「ふたたび1-2-3-4ができるとは思っていなかった」

 優勝争いと同時に注目が集まった3番手エバンスと4番手勝田による表彰台争いは、勝田がデイ4オープニングのSS14で3番手タイムを刻み、その差を11.4秒とする。勝田はさらにSS17でも3番手タイムを記録し、前述のとおりSS18ではベストタイムをマークするなどエバンスにプレッシャーをかけていく。

 しかし、エバンスも安定した走りを続けた結果、両者の順位は変わらず。最終的にはエバンスが25.3秒差で勝田を抑え3位表彰台を獲得。勝田は今季の自己ベストリザルトとなる総合4位でフィニッシュした。

 トヨタチームは今回の勝利によってサファリ・ラリーでの通算優勝回数を『11』に伸ばした。この内の10勝はWRC開催イベントだ。1-2-3-4フィニッシュは2年連続、通算では3度目。1度目はいまから30年前の1993年にトヨタ・セリカGT-FOUR(ST185)によって達成された。なお、同一のWRCイベントで、同じマニュファクチャラーがトップ4独占を3回達成するのは、半世紀の歴史を持つシリーズでも史上初の出来事となっている。

「チームとドライバーたちが達成したこの結果をとても誇りに思う」と語るのは、TGR-WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ。

「最近は競争が激しくなっているので、今年ケニアに来たときは、ふたたび1-2-3-4フィニッシュを達成できるとは思っていなかった。それでも、二年連続でこのような結果を残せたのは偶然ではないと思う。このイベントのためにチームが準備を正しく進めてきたこと、選手たちが素晴らしい仕事をしたことなど、すべての要素が揃ったからこそ、良い結果を得られたのだと感じている」

「このラリーでは、まず信頼性が高く、道からの厳しい罰に耐えられるクルマが必要で、その上でパフォーマンスを追求することになる。我々のチームが信じるこの哲学は間違いなく正しいアプローチであり、それが結果に表れた」

 1-2-3-4フィニッシュの裏側では、オジエとロバンペラの優勝争い、エバンスと勝田による3位争いというふたつのチーム内バトルが起きていたが、それにより緊張の高まりは「普通のこと」であるとラトバラ代表は続けた。

「今年は我々のドライバー間の競争も熾烈で、タイムが接近した時は緊張感が高まっていたとも思うが、それはごく普通のことだし、我々は勝利への情熱を持ったドライバーを求めている」

「全員が同時に優勝することはできないが、このリザルトがどれほど大きな成果であるかは、彼ら全員が理解しているはずだ」

 TGR-WRTは、今大会のウイナーとなったオジエと2位でフィニッシュしたロバンペラが獲得した通常の選手権ポイントとパワーステージで得たボーナスポイントにより、マニュファクチャラー選手権首位の座を守り、ランキング2位につけるヒョンデ・シェル・モビスWRTに対するリードを戦前の23ポイントから48ポイントに拡げることに成功した。ドライバー選手権ではロバンペラが140ポイントで首位を堅守。これに選手権2位に浮上したエバンスが41ポイント差、同3位となったオジエが42ポイントで続く結果となっている。

総合4位となった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア
総合4位となった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア
SS14でリヤウイングにダメージを負ったエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア
SS14でリヤウイングにダメージを負ったエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア


関連のニュース