WEC:ポルシェGTチーム 第7戦富士 決勝レポート
プレスインフォメーション 2017年10月16日
GT決勝、FIA世界耐久選手権第7戦、富士/日本
雨と霧の富士スピードウェイで2台の911RSRが表彰台に上る
ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のポルシェ911RSR は、富士スピードウェイで開催された世界耐久選手権(WEC)第7戦のGTE Proクラスにおいて2位および3位を獲得し、表彰台に上りました。
富士山麓に位置する4.563kmの高速サーキットで行われた雨と霧による非常に難しいレースで、リヒャルト・リーツ(オーストリア)/フレデリック・マコヴィッキ(フランス)組は2位となりました。この結果により、上海とバーレーンの2レースを残して、リーツとマコヴィッキはドライバーズ選手権でトップまで5ポイント差の2位につけ、タイトル獲得に向かって一歩前進しました。
チームメイトのミカエル・クリステンセン(デンマーク)/ケヴィン・エストル(フランス)組は、他車のクラッシュのよってほぼ手中に収めていたWECにおけるニュー911RSRの初勝利を逃し、3位に終わりました。
降り続く雨によりコースから富士山を見ることは出来ませんでしたが、決勝のスタートではパトリック・デンプシーがグリッドに並んだ26台に向かってグリーンフラッグを振りました。2015年に同じく富士スピードウェイで開催されたレースで、ハリウッド俳優でもあるデンプシーはドライバーとして初の世界選手権における優勝を飾りました。現在ではポルシェのブランドアンバサダーであり、デンプシー プロトン レーシングの共同オーナーでもある彼は、ピットウォールから自らのチームの幸運を祈りながらスターターを勤めました。今シーズン、ニュルブルクリンクとメキシコシティで勝利しているポルシェ ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)/クリスティアン・リード(ドイツ)/マービン・ディエンスト(ドイツ)組の駆るデデンプシー プロトン レーシングは富士戦でも3位に入り、GTE Amクラスの世界耐久トロフィーで首位に立ちました。
激しく降り続いた雨によりセーフティカー先導で始まったレースは、6周目からシグナルがグリーンに変わり正式にスタートします。ポールポジションスタートのリーツは完璧なスタートを決めます。5番グリッドからスタートしたもう一台の911RSRを駆るクリステンセンは7周目を終えるまでに2台をパスして3位に浮上しました。次第に天候が悪化し約1時間に渡ってセーフティカーランが続いた後、レースは中断されました。その32分後にレースが再開されてすぐ、リーツがピットに入ると今度はクリステンセンがトップに立ちレースを引っ張ります。
2時間20分が経過した時点で視界が悪くなり、またもセーフティカーが導入されます。2台の911RSRは給油のみを行い、コースに戻りました。この日のレースでは、ピット戦略が勝負の分かれ目となることが明らかでした。このときのセーフティカーは26分間、コースに留まりました。走行距離がおよそレースの半分に達するころ、クリステンセンは4位に、リーツは5位でした。2台は上位をうかがいながら力走しますが、その努力は新たなセーフティカーランにより無駄に終わります。
ポルシェは両方の911RSRをピットに呼び戻して92号車はクリステンセンからエストレに、91号車はリースからマコヴィッキへとドライバー交代を行います。レースディレクターがレース再開の指示を出してから程なく、エストレはトップに立ちマコヴィッキは3位を走行していました。全く予想できない展開となったこのレース中、事故が発生して4度目のセーフティカーが入ります。その後、雨は静かになりレースは順調に進む中、トップを快走するエストレに周回遅れのフォードGTが接触し、911RSRはスピンを喫し、3位に落ちます。このアクシデントにより車両はフロントのエアロパーツとリアのディフューザーにダメージを負い、エストレのラップタイムは首位の車から1周につき2秒の遅れをとるようになりました。今度はマコヴィッキがトップに立ちますが、フェラーリとの接近戦に敗れてトップを明け渡します。
その後、次第に霧が濃くなり多くのドライバーから視界の悪化を訴えられると、レースディレクターはセーフティカーを出動させて30分後には2度目のレース中断の判断が下されました。その後、天候が回復する見込みはないため、レースは再開されず中断時の順位をもって波乱含みのWEC第7戦は終了を迎えました。
次戦、WEC第8戦は11月5日に上海にて開催される予定です。