更新日: 2019.06.03 23:20
ル・マン24時間:トヨタ、テストデーを1-2で終える。ハートレーもTS050ハイブリッド初搭乗
午前と午後のセッション中、2台あわせて220周、約2998kmを走破したトヨタTS050ハイブリッドは、最新の性能調整EoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)によって最低重量が昨年より10kg重くなっている。
その影響や30度にまで上った気温のせいもあってか、8号車のブエミが記録した3分19秒440というタイムはこの日の総合トップタイムであるものの、2018年のテストデー最速タイムと比べると、わずかに後れをとることになった。
なお、7号車は僚友8号車から0.809秒遅れとなる3分20秒249をマーク。こちらは総合2番手タイムとなり、この結果トヨタは2018年に引き続き、2019年のテストデーもワン・ツーで締めくくっている。
「今日は良い1日でした。一歩一歩セットアップを進め、車両がどんどん改良されていきました」と語った可夢偉。
「コース自体も時間が経つごとに路面にラバーが乗って良くなっていきました。もちろん、今日のラップタイムですべてを結論づけてしまうのは早すぎます。まだ始まったばかりで、コースもこれからさらに変化していくでしょう」
チームメイトのコンウェイも「最初、コース路面は埃っぽかったけれど、徐々に良くなっていった」とコメント。マシンの感触はとても良いと語った彼は「重要なのはコース上に現れるほかの車両をかわすためにリズムをつかむことだ。今年は62台もの車両が出場するので、いかにタイムをロスせずかわせるかが重要になるだろう」と付け加えている。
テストデー総合トップタイムを記録したブエミは、周回を重ねることで多くのデータが集めることができた点を喜ぶとともに、「今日は昨年よりもとても暑い一日となり、このようなコンディションでの車両について学べたことも良かった」とテストを振り返った。
そのブエミのチームメイトである一貴は「今日の主な目的は、周回をこなしてクルマとサルト・サーキットの感覚を取り戻すこと、さまざまなタイヤの仕様チェックでした」とミッションを説明。
「レースウイークも同じコンディションになるかどうかはわかりませんが、今のところは周回毎に学んでいるところで、何も問題なく順調に進んでいます」と好調をアピールした。
また、2019年のル・マンを最後にチームを離れるアロンソは「2台のトヨタTS050ハイブリッドが、それぞれ100周以上、1000km以上を走破でき、良い一日になった。昨年のル・マン以来の走行だったが、すべてが予定どおりに進み満足しているよ」と語っている。
ベストといえる状態でテストデーを終えたTOYOTA GAZOO Racingはそのままル・マンに留まり、4日には常設のブガッティ・サーキットでロールアウトテストを実施する予定だ。ル・マンのレースウイークは9日の公式車検から本格的な幕開けとなる。