更新日: 2017.04.03 14:36
久々ドライブの立川祐路に聞くSF14&ヨコハマの手応え。そしてスーパーGT開幕戦の展望
今回の走行は国本の代役とはいえ、立川監督が乗ることになった目的は何か。どのようなメニューで走行していたのだろう。
「タイヤの皮むきがメインだったので(苦笑)。ここで皮むきしないと開幕戦にタイヤを持って行けないという話だったので、皮むき要員で来ました」と、冗談とも本当ともわからない言葉を残す立川。
「チャンピオンの国本様の下準備です。セット出しまでは行ってないですね。僕がそんなに細かく変えてもドライビングスタイルが違うので。空力のデータ取りは少しはできました。まあ、料理で言ったら下ごしらえです。野菜とかを切っておいて、あとは国本さんどうぞと」
下ごしらえにしては、セッション開始直後の走り始めから上位タイムを残し、徐々にタイムアップしてく姿は普通にレースに向けての詰めを行う作業と同じ。そのセッションの進め方に立川の本気度、そして意地を感じる。
「意地というよりも、あまりに遅かったらみんなの笑い者というか、全体の笑いものになると思っていたので(苦笑)」
今回のスーパーフォーミュラのテスト参加は、もともとは立川自身が乗りたいと要求したわけではなく、チームからの要求に立川は仕方なく応じたというのが真相のようだ。それでも、限られた機会と条件の中できっちりとタイムを残した。
「あとあと、石浦と国本にバカにされたら嫌ですからね。馬鹿にされないよう恥ずかしくないタイムを出さないと、監督として何を言っても相手にされてもらえなくなりますからね。今後の監督業に影響する。だから、疲れました(笑)」
「疲れた」「レースは無理」との言葉を繰り返し、今のスーパーフォーミュラの厳しさを身をもって伝える立川。今週末はいよいよ自身が選手として迎えるスーパーGT開幕戦だが、今回のスーパーフォーミュラの経験はどう活かすことができるのか。
「ドライバーとしてはこういう速いクルマに乗ると、次にスピードが遅いクルマに乗ったときに余裕ができるので、メリットはあります。そういう意味ではGTにも活きるし、監督としてもクルマのことを知っているのと知っていないのでは違うし、石浦と国本、そしてエンジニアとの話にも入りやすいので、両方にそれなりにメリットがあると思います」
スーパーGTではレクサス陣営の好調が明らかで、レクサス陣営内の同門対決になりそうな気配だ。
「GTはテストの好調のまま、レクサス陣営が上位を奪えればいいですね。レクサス全車が揃って速いというのは、レクサス陣営としてそれまでの開発がうまく進んでいた証拠ではあるんですけど、レクサス内での戦いはそれなりに大変です。でもどの道、毎年同じクルマで戦っていますからね」
ただ、もちろん不安もある。
「不安と言えば、調子が良く見えているだけに、本当にレースでも同じならいいなと。いざ始まってみたら、ライバル陣営が速くて『あれっ!?』ってならないように。ここまでのテストで調子が良すぎるだけに、逆に不安ですね。本当にこんなに差があるのかなって思っています」
今年からGT500は3メーカー揃って新車両が導入されるが、レクサスLC500は立川が中心となり、石浦、平手晃平、大嶋和也たちと開発を務めてきた。事前の合同テストではレクサス>ホンダ>ニッサンという勢力図が見えたが、すでに開幕戦の本命とも言われるLC500のパフォーマンスは果たして事前の予想どおりとなるのか。今週末にその結果が見える。